【インド医療事情】駐在員増加予定が世界2位 インドの医療事情は?
JETRO 海外進出日系企業実態調査2022 全世界編によると、新型コロナウイルスの影響が少なくなる中、海外における日系企業の事業は世界的に拡大傾向にあると考えられます。
特にインド向けに事業拡大意向を示す日系企業が多く、今後1〜2年のインド駐在員数の予定は【増加】と回答の企業が23%になり、インド従業員数については【増加の予定】と回答の企業が61%になりました。日本人駐在員や現地従業員が増加する中でインドの医療事情への対応も重要になってくると考えられます。
インドの医療事情についてまとめています。
Contents
◎インド医療事情 インドの病院
参照:経済産業省 医療国際展開カントリーレポート インド編
外務省 世界の医療事情 インド
インドの病院は公的医療機関と民間医療機関に分かれます。
公的医療制度はインド政府によって運営されており、一般の人々へ手が届きやすい価格の医療を提供することが目的です。 一方、インドの民間の医療制度は民間団体によって運営されており、一般的にはより高い価格となっていると考えられています。
全体を見ると、インドでは、民間医療機関が75%を占めており、増加傾向にあります。
インドの民間医療制度は、公的部門よりも幅広く医療サービスを提供しています。
規模の大きな民間病院は、インド大都市での3次医療を中心に展開、近年は人口の少ない都市や3次医療ではない2次医療等にも積極的に進出しています。
インドで病気にかかったら
インドで病気にかかった場合は、邦人の多くは私立病院を利用します。
インドの私立病院ではほとんどの場面で英語が通じ、また、大きな病院では外国人用窓口があるところもあります。ほとんどのインドの私立病院が、ペストコントロール、トイレの衛生、スタッフの標準予防策など、基本的に感染予防対策は先進国レベルではないので注意が必要です。また、大気汚染がひどいインド都市部でも、空気清浄機の完備を行ってない病院がほとんどです。初めての受診の場合、登録料が必要となることがあります。インドでは、専門医を受診する場合には事前に予約するのが原則です。インドでは医師は一つの病院のみに所属するとは限らず、受診時に目的とする医師が病院に不在のことがあるので、受診を希望する医師に事前に確認、予約するようにしてください。
外務省:世界の医療事情 インド
外務省:世界の医療事情 インド では、日本語ヘルプデスクのある病院が紹介されており、
インドで日本語で医療を受けるためにはこれらの病院に行くことが推奨されています。
◎インドの医療事情 インド医療保険
インドには、労働者が対象の従業員国家保険と、貧困層が対象の国家医療保険制度の2つがあります。従業員国家保険は、インドで働き、月収15,000ルピー(およそ25,000円)以下(障害者が月収25,000ルピー(およど42,000円)以下)のインド人従業員のみが、給付対象となります。
インドでは、日本のような国民皆保険制度は導入されておらず、インド全人口に占める健康保険加入者割合は約25%ほどです。
低所得層向けの医療保険が多くを占めており、医療保険に加入の場合でも十分な治療が受けられない問題がインドにはあるようです。
(引用:経済産業省 医療国際展開カントリーレポート インド編)
◎インドの医療事情 インドでかかりやすい病気
消化器感染症 | インドへの旅行者や在留外国人にとって最もかかりやすい感染症です。 食べ物や飲み物を介して経口感染する消化器感染症で、特に大腸菌などによる細菌性胃腸炎(下痢症)が多く、腸チフス、パラチフス、細菌性赤痢、アメーバ赤痢、コレラ、A型肝炎、E型肝炎などは、インド都市部でもよく見られます。 |
デング熱・デング出血熱 | デング熱ウイルスによる感染症で、ウイルスに感染したネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることで感染します。雨期の後の蚊の増える時期、インド北部では8月末~11月頃に人口の密集した大都市を中心に流行します。 |
チクングニア熱 | インドでチクングニアウイルスはネッタイシマカやヒトスジシマカなどの蚊によって媒介されます。潜伏期間は2~12日前後、関節痛を伴う突然の高熱で発病します。症状がデング熱とよく似ているため、しばしばデング熱と間違えられるようです。 |
マラリア | インドに分布するマラリアは熱帯熱マラリアと三日熱マラリアで、インド全体の報告数ではおよそ半々となっています。マラリアの報告が特に多いのは、オディシャ州やチャッティースガル州です。熱帯熱マラリアは治療が遅れると高率に死亡する危険な病気です。 |
結核 | インドでは結核の罹患率が極めて高く、世界の感染者の約3分の1を占めるとされています。2019年の罹患率は日本の14倍であり、特にデリー準州は38倍であり、結核患者が非常に多い地域です。飛沫感染や空気感染で感染します。 |
狂犬病 | インドは狂犬病の犠牲者が世界で最も多い国で、年間2万人以上が狂犬病で亡くなっています。狂犬病は致死率がほぼ100%の感染症です。たとえ予防接種を受けていても、犬などのほ乳類に咬まれた場合、追加のワクチン接種等が必要ですので、その日の内にインドの医療機関を受診してください。 |
インドでは、ビジネスが急速に発展、日系企業にとっても市場が広まりつつあるものの、水や咳エチケットなどの衛生状況、狂犬病発症状況などの感染リスクや、医療機関や保険の体制など、医療についてはまだまだ未整備な印象がインドには見受けられます。
今後駐在員派遣や現地採用をインドで増加させる場合、従業員が心身ともに健やかに勤務できる医療環境整備は重要だと考えられます。
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弊社は33科500人以上の専門医の体制で、海外展開企業(主に海外駐在員)向けのオンライン診療・医療相談サービスを運営、厚労省のガイドラインに準拠、「オンライン受診勧奨」サービスを提供、必要に応じて、現地病院受診時の紹介状作成等も行っております。また、厚労省の実施する研修を修了の専門医が対応に当たっています。病院の受診前後に活用、不安解消はもとより、医療の内容や医療費削減、生産性向上に寄与します。健康経営、福利厚生、感染症BCPの対策に導入をご検討下さい。
編集者プロフィール
- 人と組織の可能性が最大化する環境を拡げることをミッションに広報・マーケティングを行う人間。大阪教育大学卒業。卒業後は教育事業会社で広報・採用広報を行い、その後飲食店向けFinTech&SaaS企業にて広報を担当。同時に、日本の誇れる医療を世界中に届けるビジョンに共感し、広報担当として株式会社Medifellowに参画。記事制作、マーケティング、SNS運用、グラフィックデザインを行っている。
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