オーストラリア医療費は日本の何倍? – オーストラリア医療費・医療制度等 –
※本記事の最終更新日 2023年12月
本記事では、オーストラリアの医療費、医療制度等についてまとめています。
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Contents
■オーストラリア医療制度について
●オーストラリアのGP(総合診療医)制度とは?
引用:外務省「世界の医療事情 オーストラリア」
医療を受けるには、まず、GP(General Practitioner/総合診療医)の受診が必要です。風邪や腹痛、外傷、妊娠等々すべてGP受診から医療が始まります。日本で既に専門性の高い病気の診断を受け、治療・投薬や経過観察の指針が定まっている方であっても、同様です。GPの門を叩くところから始める必要があります。血液検査やレントゲンも同様で、患者が血液検査を希望しても、GPがその必要性を認め、血液等検査機関(当地名はPathology)やレントゲン等画像診断施設(当地名はImaging)に依頼状を作成してもらわないと検査が受けられません。GPが入院や手術、専門性の高い治療が必要と判断すると、病院(一部開業の専門医もいます)に紹介され、専門的な医療を受けることができます。
英語力に自信がある場合は、直接オーストラリア現地の総合診療医を受診、必要に応じて専門医を紹介してもらうことも可能です。オーストラリアの都心部には、日本語が話せる総合診療医もいるようです。ただ、オーストラリアで専門医の予約は取りづらく、2週間〜数ヶ月かかるなど、中々予約が取れない場合もあると言われています。
●オーストラリアで緊急に病院を受診する場合
例外として、救急の病状については、公立病院の一部門である救急部(当地名はED/Emergency Department)を患者が自ら、或いは救急車で受診が可能です。このEDは、24時間オープンとなっています。受付の後、急患振り分け専門看護師の診察を受けます。この看護師が、救急でない、或いは待機に支障がないと判断すると、急患より後回しとなり、長時間の待機となります。当地病院EDで一般的に救急と判断される病状は次のとおりです。意識障害、血圧低下や循環不全、吐血・喀血・下血等の出血、外傷などで大きな血管の破綻を主因とする出血、精神の急激な不調、などです。なお、一般的創傷、骨が露出するなど重大な状況でない骨折、眼・耳・鼻の外傷や疾病、成人の発熱、特別な兆候のない腹痛は、待機或いは翌日治療可能と判断される例が多いようです。
引用:外務省「世界の医療事情 オーストラリア」
●オーストラリアの薬局
GPを受診しなくても、薬剤師のいる薬局(Chemistryと言います)で、病状を相談すると、薬剤師処方薬という範疇の薬を勧めてくれます。風邪薬(咳止めを含む)、解熱剤、鎮痛剤、抗アレルギー薬、消化器薬、ステロイド剤を含まない皮膚用の薬などです。なお、抗菌薬や心臓の薬、向精神薬、麻薬成分の含まれる医薬品の購入には医師作成の処方箋が必要です。
引用:外務省「世界の医療事情 オーストラリア」
症状が軽症の場合や英語を話せる場合、専門医に勧められた市販薬がある場合など、オーストラリアでは医薬品によって、薬局に相談、購入も可能です。
■オーストラリア医療保険について
●オーストラリアのメディケア(オーストラリアの国民健康保険)
オーストラリア国籍の方やオーストラリアの永住権を持つ方などはメディケアと呼ばれる国民保険に加入できます。この保険では、オーストラリアの公立病院であれば、入院医療費を全額国が負担、医療費の大部分をカバーしますが、予約がかなり取れづらいと言われています。(歯科・眼科・薬代等の医療費は保険適用外)また、オーストラリアの公立病院でも、患者が医師を指名の場合は、医療費の25%が自己負担となるようです。
(参照:シドニー留学センター「Medicare(国民健康保険について)」厚生労働省「オーストラリア | 社会保障制度の概要」)
●オーストラリアの海外留学生医療保険
オーストラリアに学生ビザで滞在する場合、OSHC(Overseas Student Health Cover-海外留学生健康保険)と呼ばれる保険に加入することが義務付けられています。
引用:オーストラリア留学センター「OSHC(海外留学生保険)」
これはオーストラリア滞在中にかかった病気、怪我などの治療費や救急車の費用など医療費をカバーするもので、コースの期間に関わらず、学生ビザの期間分、加入する必要があります。
オーストラリアの海外留学生に加入が義務付けられています。メディケア同様、医療費が高額な歯科の補償がなかったりなどあるため、事前に医療費等のカバー範囲の確認が必要です。
●オーストラリアの短期滞在者向け医療保険(Overseas Visitors Health Cover/OVHC)
OVHC保険は、旅行やワーキングホリデー、就労等をされる方に提供できる健康保険です。日本からでも既にオーストラリアにいる方も加入ができ、対象のビザによってプランを選択できます。また、ビザによってはビザ申請時に必要な保険と認知されていますのでその目的でも活用いただける健康保険です。
引用:ジャパンセンターオーストラリア「医療保険OVHC」
オーストラリアの民間医療保険会社が提供の医療保険です。生命保険でないためこちら死亡補償や後遺傷害補償などがなく、保険プランによってカバーされる範囲、医療費が異なり、事前に医療費等の保険内容の確認が必要です。
■オーストラリア医療費支出は?オーストラリア医療費のOECD加盟国内ランキング
2019年のオーストラリアの一人当たり保健医療費は4,919ドルでOECD加盟国中14位となっております。日本の保健医療費は4,691ドルで15位のため、オーストラリアは日本よりも少し高い平均医療費支出となっています。
■オーストラリア医療費について(単位:円)
オーストラリアは日本と変わらないぐらい最先端の医療や衛生環境が整っているようであるものの、オーストラリアの医療費自体はおおよそ日本の医療費の数倍高いとされています。
オーストラリア・ゴールドコーストの医療費
救急車の料金、医療費 | ①公営:112,500 +走行加算170円/Km ②民営:通常利用しない |
初診料、医療費 | 16,200 |
病院部屋代(1日あたり) | ①個室:122,100~124,300 ②ICU:463,700 |
虫垂炎(盲腸)手術の治療費・医療費 | 総医療費:1,039,400 平均入院日数:3日 |
骨折時の治療費・医療費 (橈骨末端閉鎖性骨折) | 58,200 |
参考:日本の医療費(単位:円)
救急車の料金、医療費:公営=無料、民営=一般的でない
初診料、医療費:2,880
入院室料(1日あたり):30,000~100,000(ICU:80,000~100,000)
虫垂炎(盲腸)入院・手術治療・医療費(4日入院):600,000
医療費やオーストラリアに関する参考記事:
医療費や自己負担額の世界ランキングから見る世界・海外の医療費(オーストラリアなど)
その他の注目記事のまとめはこちら:
※【株式会社Medifellow注目記事まとめ】過去の注目記事はこちらをご覧ください。※
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編集者プロフィール
- 人と組織の可能性が最大化する環境を拡げることをミッションに広報・マーケティングを行う人間。大阪教育大学卒業。卒業後は教育事業会社で広報・採用広報を行い、その後飲食店向けFinTech&SaaS企業にて広報を担当。同時に、日本の誇れる医療を世界中に届けるビジョンに共感し、広報担当として株式会社Medifellowに参画。記事制作、マーケティング、SNS運用、グラフィックデザインを行っている。
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