海外駐在員・従業員の健康診断、メンタル不調等の健康管理について
※本記事の最終更新日 2023年2月
この記事では、海外駐在員・従業員の健康管理に関連し、海外駐在前・駐在中・駐在からの帰国後に行うメンタル不調の対策や健康診断など病気の予防・早期ケアをサポートする取り組みについてまとめております。
Contents
■従業員の健康診断等 心身の健康管理について
●ストレスチェック
従業員の精神面の健康管理の対策の一つであるストレスチェック。
うつ病等を発症する前からストレスチェックを行い、予防ができる体制づくりが大切になります。
ストレスチェックについては弊社記事「企業・職場のストレスチェック」にまとめています。
※「海外赴任でのメンタル不調(うつ病など) 海外赴任者への企業対策【医師監修記事】」も参照ください。
●健康診断
従業員の身体面での健康管理には健康診断が挙げられますが、健康診断についての規定はあるのでしょうか?
・一般的な国内での定期健康診断について
(1)定期健康診断の始まり
1947年に、厚生労働省が「労働基準法」に基づく「労働安全衛生規則」を制定。
毎年1 回以上定期に、また、有害業務に従事する従業員については、毎年 2 回以上定期に健康診断を行わなければならないと定めたことが始まりとなります。
参照:全国労働衛生団体連合会 健康診断関係年表⑤
(2)健康診断の項目
労働安全衛生規則第44条により、常時使用する従業員に対し、1年以内ごとに1回、定期に医師による健康診断を行わなければいけないとされています。
一 既往歴及び業務歴の調査
引用:厚生労働省 労働安全衛生法に基づく健康診断の概要
二 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
三 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
四 胸部エックス線検査及び喀痰検査
五 血圧の測定
六 貧血検査
七 肝機能検査
八 血中脂質検査
九 血糖検査
十 尿検査
十一 心電図検査
・海外駐在前・海外赴任前の健康診断
海外駐在前・海外赴任前については、労働安全衛生規則第45条の2により定められています。
項目は、上記の健康診断の項目と同じです。
(海外派遣労働者の健康診断)
第四十五条の二事業者は、労働者を本邦外の地域に六月以上派遣しようとするときは、あらかじめ、当該労働者に対し、第四十四条第一項各号に掲げる項目及び厚生労働大臣が定める項目のうち医師が必要であると認める項目について、医師による健康診断を行わなければならない。
引用:厚生労働省 労働安全衛生法に基づく健康診断の概要
上記について、厚生労働大臣が定める項目は以下になります。
一 腹部画像検査
引用:厚生労働省 労働安全衛生法に基づく健康診断の概要
二 血液中の尿酸の量の検査
三 B型肝炎ウイルス抗体検査
四 ABO式及びRh式の血液型検査
再検査や精密検査が必要になるケースを想定し、渡航前に余裕を持って検査をした方が良いと考えられます。
・海外駐在・海外赴任中の健康診断
海外駐在員・海外赴任の従業員の健康診断についての規則文の中では毎年の健康診断についての記載はありませんが、一般的な健康診断について毎年の検査を義務付けているため、海外駐在員・海外赴任者においても毎年の検査をした方がよいと考えられるでしょう。
事前に現地で健康診断の実施が可能な医療機関を確認しておくことも重要です。
(日本語対応可能な現地の病院については弊社ニュースページにて随時ご紹介しております。)
・海外駐在・海外赴任から帰国後の健康診断
労働安全衛生規則第45条の2により、帰国後の健康診断についても定められています。
事業者は、本邦外の地域に六月以上派遣した労働者を本邦の地域内における業務に就かせるとき(一時的に就かせるときを除く。)は、当該労働者に対し、第四十四条第一項各号に掲げる項目及び厚生労働大臣が定める項目のうち医師が必要であると認める項目について、医師による健康診断を行わなければならない。
●相談窓口・情報提供
海外駐在・赴任時は救急を除いて、何かあったときにすぐに現地の病院を受診できる保証はないため、心身の健康で悩みや症状があったときに、大事に至る前に相談、情報にアクセスできる環境を用意しておくことが大切になります。
・国別の感染症流行情報・推奨予防接種情報
「厚生労働省検疫所」「外務省海外安全ホームページ」
・医療事情
「外務省 世界の医療事情」
・医療保険や医療サービスの加入
「海外駐在員向け医療サービス比較(緊急医療アシスタンス、オンライン診療、医療相談)」
・産業医の設置
「産業医の設置基準は?」「産業医と専門医の違いとは?【医師監修】」
・オンライン診療・医療相談サービス(日本人専門医が対応)
「弊社サービスサイト(法人利用)」
その他の注目記事のまとめはこちら
※【株式会社Medifellow注目記事まとめ】過去の注目記事はこちらをご覧ください。※
弊社は33科500人以上の専門医の体制で、海外展開企業(主に海外駐在員)向けのオンライン診療・医療相談、メンタルヘルスサービスDoctorfellowを運営、厚労省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に準拠、「オンライン受診勧奨」サービスを提供、必要に応じて、現地病院受診時の紹介状作成等も行っております。また、厚労省の実施する「オンライン診療研修」を修了の専門医が対応に当たっています。病院の受診前後に活用、不安解消はもとより、医療の内容や医療費適正化、生産性向上に寄与します。健康経営、福利厚生、感染症BCPの対策に導入をご検討下さい。
編集者プロフィール
- 人と組織の可能性が最大化する環境を拡げることをミッションに広報・マーケティングを行う人間。大阪教育大学卒業。卒業後は教育事業会社で広報・採用広報を行い、その後飲食店向けFinTech&SaaS企業にて広報を担当。同時に、日本の誇れる医療を世界中に届けるビジョンに共感し、広報担当として株式会社Medifellowに参画。記事制作、マーケティング、SNS運用、グラフィックデザインを行っている。
最新の記事
- 記事2024-12-15安くて美味しい!バリ島の主要観光地おすすめローカルグルメと口コミ優良店〜
- 記事2024-12-08冬におすすめの海外旅行〜バリ島編〜観光スポットやモデルコースを紹介
- 記事2024-12-01【メキシコ】ビザの種類と取得方法〜短期滞在、就労、観光など目的別に紹介〜
- 記事2024-11-23AI面接で課題解決も?海外人材の採用方法とメリット・デメリットまとめ