アメリカ駐在/滞在中の食生活で注意すること~虚血性心疾患 死因割合日本の約2倍~
※最終更新日 2023年9月
Contents
■アメリカの食生活は?
アメリカは移民も多く食生活は多様ではありますが、一般的には以下のような特徴があります。
- 加工食品の大量消費
アメリカの食品市場は多くの加工食品で溢れています。高カロリーで低栄養価の食品やファストフード中心の食生活が一般的であり、便利な食品やジャンクフードの消費が盛んです。
- ビッグサイズ
アメリカでは、一般的に大量の食べ物を提供する傾向があります。
ファストフードチェーンでは、大きなサイズのハンバーガーやフライドポテトが一般的で、
マクドナルドで比べてみると、アメリカのドリンクのSサイズは650ml、日本のLサイズ700mlとほぼ同量になります。
- 朝食文化
アメリカの食生活では朝食が重視されています。
多くの人々がホットケーキ、ベーコン、卵、シリアル、トーストなどを朝食として摂ります。
- サラダバースタイル
健康志向のアメリカ人は、サラダや野菜を食事に取り入れる食生活をしており、
サラダバーなどの自分で盛り付けるスタイルのレストランが人気があります。
- 甘い飲料
アメリカでは、ソフトドリンクや甘いフレーバードリンクなど、甘い飲料が好まれます。
コーヒーや紅茶も食生活において一般的に飲まれますが、コーヒーチェーン店でも、フレーバーコーヒーやスイーツ系のドリンクが人気です。
■アメリカ人のカロリー摂取の特徴
調査によると、アメリカ人は摂取するカロリーの58%、砂糖の90%を、
清涼飲料水やシリアル、袋詰めされたパンや焼き菓子、袋入りのスナック類、その他の菓子類、
デザート類、再構成肉(チキンナゲットなどの材料)、即席めん類、スープなどの「加工食品」から摂る食生活をしていることがわかりました。
アメリカ人で料理が好きと答えた人が10%、料理が嫌いと答えた人が45%となっており、食生活において、手軽にジャンクなものをたくさん食べたいという傾向があると考えられます。
(参照:Harvard business review The Grocery Industry Confronts a New Problem: Only 10% of Americans Love Cooking、Forbes JAPAN 米国人の摂取カロリー、6割が「超加工食品」からと判明 調査結果)
■アメリカで食生活が原因となりやすい病気
国立社会保障・人工問題研究所の2021年調査(※注釈を出典元より引用:死亡分類は国によって異なるところもあるので,死因分類は必ずしも一致しない。)によると、アメリカの死因第1位は、日本と同じく「悪性新生物」で、いわゆる「がん」のことを指し、白血病などの送血器由来の悪性腫瘍を含む病気が死因となっています。
国立社会保障・人工問題研究所の2021年調査のデータで、アメリカと日本で死因の割合を比べた時に最も違いが大きかったのは、アメリカの死因で2番目に多い「虚血性心疾患」で、アメリカが22%、日本が12.8%と、ほぼ2倍近くの差があることがわかりました。
※注釈を出典元より引用:死亡分類は国によって異なるところもあるので,死因分類は必ずしも一致しない。
アメリカの死因上位「虚血性心疾患」とは?
虚血性心疾患とは、心筋梗塞や狭心症のことを指します。動脈硬化や血栓で心臓の血管が狭くなり、心臓に酸素・栄養がいきわたらず、運動やストレスで心臓の痛みや、圧迫感といった症状を生じる状態です。
虚血性心疾患の原因
虚血性心疾患の原因として、
- 高血圧
- 高脂血症
- 糖尿病
- 喫煙
は特に4大冠危険因子とされています。
いわゆる偏った食生活、運動不足、ストレス、喫煙、飲酒が引き起こす生活習慣病が原因となります。
高血圧や高血糖状態が長期間続くことで、動脈の血管壁にプラークというコレステロールなどの物質が沈着し、動脈硬化が促進されて発症します。
その他、肥満、高尿酸血症、ストレス、A型行動パターン(せっかち、競争心が強い、積極的)、家族歴(遺伝)、加齢、男性、閉経後の女性、気候などが危険因子としてあげられます。
アメリカでの食生活に注意!虚血性心疾患のリスクを高める食べ物
- 飽和脂肪酸
肉や乳製品などの動物性の脂肪酸(魚は除く)です。
ラードやヘッドなどの肉の脂肪、ベーコンやコンビーフなどの肉の加工品に多く含まれます。
- トランス脂肪酸
マーガリンやショートニングを使用するクッキー、パン、ケーキ、ファーストフード、加工食品などに多く含まれます。
■アメリカでの食生活で気をつけること(病気のリスクを軽減するために)
日本と大きく差があったアメリカで死因上位の虚血性心疾患も、両国の死因上位のがんも、いずれも食生活が原因の一部となっています。リスクを下げるために、食生活で気をつけるべきポイントをまとめます。
- 低脂肪
- 糖質控えめ
- 適正カロリーの食生活
- 減塩(1日6g未満)
- 不飽和脂肪酸を多く含む青魚を食べる
- 野菜から食物繊維、ビタミン、ミネラルを補う
- 適量のアルコール摂取(日本酒1合)
- 適量のカフェイン摂取
アメリカの食生活の特徴に挙げた、「加工食品」「ファストフードなどのビッグサイズの食べ物」「甘い飲料」の摂りすぎに注意が必要です。
加工食品を購入する場合は、カロリー表示や原材料を確認することが推奨されます。
適正カロリーについては、日本医師会webページで紹介されています。
■アメリカでの生活に関する記事まとめ
アメリカ医療費等まとめ-アメリカ医療費なぜ高い?医療費世界1位のアメリカ-
アメリカ(ニューヨーク・ロサンゼルス・ハワイ)の日本語可の病院クリニック
その他の注目トピックまとめはこちら
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編集者プロフィール
- 人と組織の可能性が最大化する環境を拡げることをミッションに広報・マーケティングを行う人間。大阪教育大学卒業。卒業後は教育事業会社で広報・採用広報を行い、その後飲食店向けFinTech&SaaS企業にて広報を担当。同時に、日本の誇れる医療を世界中に届けるビジョンに共感し、広報担当として株式会社Medifellowに参画。記事制作、マーケティング、SNS運用、グラフィックデザインを行っている。
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