フランス渡航時に推奨されるワクチン(予防接種)・注意すべき感染症

※本記事の最終更新日 2023年6月

フランスへの赴任・渡航時に検討が推奨されるワクチン予防接種、駐在中に気を付けたい感染症・病気についてまとめております。

※他のWebサイト等の情報を参照、一般的な情報提供での掲載です。

■フランス渡航時、気をつけたい病気は?

フランス渡航時に気を付けたい感染症・病気は、ダニ媒介性脳炎、麻しん(はしか)が挙げられます。フランス南部ではデング熱等が発生することがあります。詳細は、厚生労働省「ヨーロッパ北部・西部  気候と気をつけたい病気、受けておきたい予防接種、持っていきたい薬」外務省「世界の医療事情 フランス」をご確認下さい。

■(成人)フランス入国の際に必要/推奨されるワクチン

フランス入国時に接種が必要とされるワクチンはありませんが、
破傷風ワクチン、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチンの接種が推奨されています。

(1)A型肝炎とは?ワクチンについて

A型肝炎はA型肝炎ウイルスによる一過性の感染症です。

  • 感染経路

糞便から排泄されたウイルスが人の手を介して、水や氷、野菜や果物、魚介類を経て口に入ることで感染します。過去には、貝類による集団感染もあります。性交渉時に感染することもあります。

  • 症状

ウイルスに感染し、2~7週間の潜伏期間の後に、急な発熱、全身のだるさ、食欲不振、吐き気や嘔吐が見られ、数日後には黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなること)が現れます。

成人は小児よりも所見や症状が現れやすく、高齢者では重症度と死亡率が高くなります。ただ、日本では60歳以上の人の多くが免疫抗体を持っています。

感染後は、症状の発現前と症状の消失後にも、数週間はウイルスを排泄するので、他人に感染させないように注意が必要です。

  • ワクチンについて

日本では、ワクチンは2~4週間の間隔で2回接種します。約半年後に3回目の接種をすると免疫が強化され、5年間は有効といわれています。国と製剤によって接種方法が異なるため、海外では医師の指示に従ってください。

(2)B型肝炎とは?

B型肝炎は、B型肝炎ウイルスに感染することにより発症、ウイルスは人から人へと感染します。

  • 感染経路

患者との性行為やウイルスに汚染された医療器具の使用により感染。患者から生まれた新生児は生まれた時点で感染していることがあります。

  • 症状

感染後90~150日の症状のない期間があった後、倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛、黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなること)がおこります。皮膚発疹や関節の痛みが生じることがあります。大人での死亡率は1%くらいです。一部の人で慢性化し、肝硬変になったり、癌化することがあります。

(3)破傷風とは?ワクチンについて

破傷風は、破傷風菌がうつることによってかかり、口や手足のしびれがおこる病気です。治療が遅れると死亡することがあります。

  • 感染経路

けがをしたときに傷口から破傷風菌が体の中に入ります。破傷風菌は、世界中の土のなかに存在します。特に、動物の糞便で汚染された土壌が危険です。

  • 症状

​​感染して3日から3週間からの症状のない期間があった後、口を開けにくい、首筋が張る、体が痛いなどの症状があらわれます。その後、体のしびれや痛みが体全体に広がり、全身を弓なりに反らせる姿勢や呼吸困難が現れたのちに死亡します。

  • ワクチンについて

正しい方法でワクチン接種を行うと免疫が10年間持続します。旅行中にケガをしたときにも破傷風ワクチンが必要になることがありますので、早めに医師に相談して下さい。

(参照:厚生労働省検疫所  A型肝炎B型肝炎破傷風

■(子ども)フランス滞在、入学の際に必要なワクチン、定期予防接種

日本で定期予防接種として行われているワクチン接種(BCG、ポリオ、DPT、MR、日本脳炎、Hib、B型肝炎、水痘、小児用肺炎球菌、ロタウイルス)が推奨されています。

フランスの現地校に入学・入園する際は、特に公立の場合は、上記の小児定期予防接種のワクチン証明の提出を求められますので、日本の母子健康手帳を持参しなければなりません。

日本大使館の領事部では、ワクチン接種のフランス語書簡の作成が可能です(必要書類等詳細は在仏日本大使館ホームページの当該箇所を参照してください)。
未接種のワクチンについては、フランス現地で接種することになりますが、総合病院、一部のクリニックや個人開業医の外来でも受けることができます。(参照:外務省 世界の医療事情 フランス

フランスの小児ワクチン定期予防接種

フランスの小児ワクチン定期予防接種
初回2回目3回目4回目5回目6回目7回目8回目
BCG1ヶ月 (例外)※1       
ポリオ(IPV) ※22ヶ月4ヶ月11ヶ月6歳11~13歳25歳45歳65歳以上 10年毎
DPT(DT)2ヶ月4ヶ月11ヶ月6歳11~13歳25歳45歳 (DT)65歳以上 10年毎
MMR12ヶ月16~18ヶ月      
B型肝炎2ヶ月4ヶ月11ヶ月     
Hib2ヶ月4ヶ月11ヶ月     
肺炎球菌2ヶ月4ヶ月11ヶ月     
髄膜炎5ヶ月12ヶ月      
HPV ※311~14歳11~14歳     
(引用:外務省 世界の医療事情 フランス

■フランスで感染症・病気になったら

フランスの医療費については以下の記事をご参照ください。

フランスの医療費・医療事情 ~フランスの医療費は高い?~

フランスの日本語可の病院・クリニックまとめは以下をご参照下さい。

フランスの日本語可の病院クリニック・医師

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※【株式会社Medifellow注目記事まとめ】過去の注目記事はこちらをご覧ください。※

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編集者プロフィール

小原万美子
小原万美子
人と組織の可能性が最大化する環境を拡げることをミッションに広報・マーケティングを行う人間。大阪教育大学卒業。卒業後は教育事業会社で広報・採用広報を行い、その後飲食業界向けDX企業にて広報を担当。同時に、日本の誇れる医療を世界中に届けるビジョンに共感し、広報担当として株式会社Medifellowに参画。記事制作、マーケティング、SNS運用、グラフィックデザインを行っている。