シンガポール渡航時に推奨されるワクチン(予防接種)

※本記事の最終更新日 2023年6月
シンガポールへの赴任・渡航時に検討が推奨されるワクチン予防接種、駐在中に気を付けたい感染症・病気についてまとめております。
※他のWebサイト等の情報を参照、一般的な情報提供としての掲載です。
Contents
■シンガポール渡航時、気をつけたい感染症・病気は?
シンガポール渡航時に気を付けたい病気としては、デング熱、チクングニア熱が挙げられます。食べ物や衛生状況から起きやすい感染症は、A型肝炎や腸炎ビブリオ(特に生の魚介類に注意)、コレラ、細菌性赤痢、腸チフスが挙げられます。特に熱帯では、室温で細菌が繁殖しやすいので、生ものは避け、加熱されたものを冷めないうちに食べることが大切です。
詳しくは、厚生労働省「シンガポール 気候と気をつけたい病気、受けておきたい予防接種、持っていきたい薬」をご確認下さい。
■(成人)シンガポール入国の際に必要/推奨されるワクチン
シンガポール入国に際して全員が必要とされるワクチンはありませんが、
黄熱病の感染リスクの高い国からの入国では、入国時にイエローカード(黄熱ワクチン接種証明書)の提示を求められます。
他にも、かかりやすい感染症の予防として、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチン、破傷風ワクチンを接種しておくことが勧められています。(参照:厚生労働省検疫所 シンガポール 気候と気をつけたい病気 )
(1)A型肝炎とは?ワクチンについて
A型肝炎はA型肝炎ウイルスによる一過性の感染症です。
- 感染経路
糞便から排泄されたウイルスが人の手を介して、水や氷、野菜や果物、魚介類を経て口に入ることで感染します。過去には、貝類による集団感染もありました。性交渉時に感染することもあります。
- 症状
ウイルスに感染し、2~7週間の潜伏期間の後に、急な発熱、全身のだるさ、食欲不振、吐き気や嘔吐が見られ、数日後には黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなること)が現れます。
成人は小児よりも所見や症状が現れやすく、高齢者では重症度と死亡率が高くなります。ただし、日本では60歳以上の人の多くが免疫抗体を持っています。
感染した場合には、症状の発現前と症状の消失後にも、数週間はウイルスを排泄しますので、他人に感染させないように注意しましょう。
- ワクチンについて
日本では、ワクチンは2~4週間の間隔で2回接種します。約半年後に3回目の接種をすると免疫が強化され、5年間は有効といわれています。国と製剤によって接種方法が異なるため、海外では医師の指示に従ってください。
(2)B型肝炎とは?
B型肝炎は、B型肝炎ウイルスに感染することにより発症します。B型肝炎ウイルスは人から人へと感染します。
- 感染経路
患者との性行為やウイルスに汚染された医療器具の使用により感染します。患者から生まれた新生児は生まれた時点で感染していることがあります。
- 症状
感染して90~150日の症状のない期間があった後、倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛、黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなること)がおこります。皮膚発疹や関節の痛みが生じることがあります。大人での死亡率は1%くらいです。一部の人で慢性化し、肝硬変になったり、癌化することがあります。
(3)破傷風とは?ワクチンについて
破傷風は、破傷風菌がうつることによってかかり、口や手足のしびれがおこる病気です。治療が遅れると死亡することがあります。
- 感染経路
けがをしたときに傷口から破傷風菌が体の中に入ります。破傷風菌は、世界中の土のなかに存在します。特に、動物の糞便で汚染された土壌が危険です。
- 症状
感染して3日から3週間からの症状のない期間があった後、口を開けにくい、首筋が張る、体が痛いなどの症状があらわれます。その後、体のしびれや痛みが体全体に広がり、全身を弓なりに反らせる姿勢や呼吸困難が現れたのちに死亡します。
- ワクチンについて
正しい方法でワクチン接種を行うと免疫が10年間持続します。旅行中にケガをしたときにも破傷風ワクチンが必要になることがありますので、早めに医師に相談して下さい。
■(子ども)シンガポール滞在、入学の際に必要なワクチン、定期予防接種
シンガポールでは2019年2月1日から、
12歳未満の外国籍の子どもが長期滞在のため家族帯同パス、長期滞在パス、学生パスを取得しようとする場合には、
- ジフテリア
- 麻しん
のワクチン予防接種を済ませている必要があります。
その確認のためには、シンガポール健康増進庁にワクチン接種の履歴(英文)等を提出し、
ワクチンの予防接種確認証を取得する必要があります。
ワクチンの接種履歴が要件を満たさない場合や、その確認証がない場合、滞在パスの申請ができません。
シンガポールのワクチン接種スケジュールの違いに注意
ここで注意が必要なのは、日本の標準的なスケジュールで上記のワクチンの予防接種を受けるだけでは、一部例外事項を除きシンガポールにおける要件を満たさないということです。ワクチンの予防接種履歴(母子手帳)等をご確認の上、追加で必要なワクチンについては渡航医学専門医へ相談する必要があります。
また、ワクチンの予防接種確認証が発行されるまでに1ヶ月程度(申請が集中する時期には2ヶ月程度)かかる場合があり、その間滞在パスの取得申請ができないため、余裕をもってワクチン接種、確認証取得の手続きをすることが推奨されます。
シンガポールに渡航する子どものワクチン予防接種の要件
(1)ジフテリア
- ワクチン1回目:生後2か月から4か月まで
- ワクチン2回目:6か月まで(ワクチン接種間隔は4週間以上)
- ワクチン3回目:12か月まで(ワクチン接種間隔は4週間以上)
- ワクチン4回目:10歳まで(ワクチン接種間隔は6か月以上)
- ワクチン5回目:12歳まで(ワクチン接種間隔は6か月以上)
※日本の場合
- 1~3回目までのワクチン接種は生後3~12か月の期間にて、20~56日の間隔で行う
- 4回目のワクチン接種は3回目の接種を行ってから6か月以上の間隔をおいて1回
- 5回目のワクチン接種は11~12歳の期間に1回
(2)麻しん
- 生後15か月までに、計2回のワクチンを接種
※2回目のワクチンは1回目から4週間以上空いていること
※日本の場合
- 1歳に到達してから1回目、5~7歳の期間に2回目のワクチン接種を行う
その他現地の小児ワクチン予防接種のスケジュールは、こちらをご確認ください。
(参照:在シンガポール日本国大使館 安全情報 シンガポール)
■シンガポールで病気・感染症にかかったら?
シンガポールは医療機関がかなり整備されており、特に技術的なレベルを心配する必要はなく、安心して診療を受けられます。また日本語が通じる医療機関もあります。
法人利用も可:日本人専門医によるオンライン診療・医療相談サービス
弊社は33科500人以上の専門医の体制で、海外展開企業(主に海外駐在員)向けのオンライン診療・医療相談サービスを運営。
厚労省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に準拠、「オンライン受診勧奨」サービスを提供、必要に応じて、現地病院受診時の紹介状作成等も行っております。また、厚労省の実施する「オンライン診療研修」を修了の専門医が対応に当たっています。
法人(駐在員)利用も可能。
・病気に関する不安解消
・病院受診の必要性の確認
・受診後のセカンドオピニオン
・医療の内容や医療費適正化
・メンタルヘルス等の健康管理
に寄与します。健康経営、福利厚生、感染症BCPの対策に導入をご検討下さい。

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編集者プロフィール

- 大阪教育大学卒業。卒業後は教育事業会社に入社し広報と新卒採用担当を兼任。マーケティング、SNS/HP運用、グラフィックデザイン、イベント企画、採用等に関わる。現在は並行して弊社Medifellowの広報担当や、他企業の事業立ち上げ、広報、採用コンサルティング、グラフィックデザイン等を行う。
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