中国渡航時に推奨されるワクチン(予防接種)

中国国旗

※本記事の最終更新日 2023年5月

中国への赴任・渡航時に検討が推奨されるワクチン予防接種、駐在中に気を付けたい感染症・病気についてまとめております。

※他のWebサイト等の情報を参照、一般的な情報提供としての掲載です。

■中国渡航時、気をつけたい感染症・病気は?

中国への渡航時に気を付けたい感染症・病気としては、狂犬病、鳥インフルエンザ、マラリアなどが挙げられます。消化器系の感染症では、特に暑くなる5月から10月に食中毒、赤痢、腸チフスに気を付ける必要があります。詳しくは、厚生労働省「中国 気候と気をつけたい病気、受けておきたい予防接種、持っていきたい薬」をご確認下さい。

■(成人)中国入国の際に必要/推奨されるワクチン

中国入国に際して全員が必要とされるワクチンはありませんが、
黄熱病の感染リスクの高い国からの入国では、トランジットの場合も含め、黄熱の国際予防接種証明書が必要です。

中国でかかりやすい感染症の予防として、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチン、破傷風ワクチンを接種しておくことが勧められています。

また、犬や野生動物との接触が予想される場合は狂犬病のワクチンを、
中国の農村部に長期滞在する場合は日本脳炎のワクチンが推奨されます。

破傷風ワクチン、日本脳炎ワクチンは、接種から10年以上経つと効果が下がってくるので、過去の履歴も確認が必要です。(参照:厚生労働省検疫所 中国 気候と気をつけたい病気

(1)A型肝炎とは?ワクチンについて

A型肝炎はA型肝炎ウイルスによる一過性の感染症です。

  • 感染経路

糞便から排泄されたウイルスが人の手を介して、水や氷、野菜や果物、魚介類を経て口に入ることで感染します。過去には、貝類による集団感染もありました。性交渉時に感染することもあります。

  • 症状

ウイルスに感染し、2~7週間の潜伏期間の後に、急な発熱、全身のだるさ、食欲不振、吐き気や嘔吐が見られ、数日後には黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなること)が現れます。

成人は小児よりも所見や症状が現れやすく、高齢者では重症度と死亡率が高くなります。ただし、日本では60歳以上の人の多くが免疫抗体を持っています。

感染した場合には、症状の発現前と症状の消失後にも、数週間はウイルスを排泄しますので、他人に感染させないように注意しましょう。

  • ワクチンについて

日本では、ワクチンは2~4週間の間隔で2回接種します。約半年後に3回目の接種をすると免疫が強化され、5年間は有効といわれています。国と製剤によって接種方法が異なるため、海外では医師の指示に従ってください。

(2)B型肝炎とは?

B型肝炎は、B型肝炎ウイルスに感染することにより発症します。B型肝炎ウイルスは人から人へと感染します。

  • 感染経路

患者との性行為やウイルスに汚染された医療器具の使用により感染します。患者から生まれた新生児は生まれた時点で感染していることがあります。

  • 症状

感染して90~150日の症状のない期間があった後、倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛、黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなること)がおこります。皮膚発疹や関節の痛みが生じることがあります。大人での死亡率は1%くらいです。一部の人で慢性化し、肝硬変になったり、癌化することがあります。

(3)破傷風とは?ワクチンについて

破傷風は、破傷風菌がうつることによってかかり、口や手足のしびれがおこる病気です。治療が遅れると死亡することがあります。

  • 感染経路

けがをしたときに傷口から破傷風菌が体の中に入ります。破傷風菌は、世界中の土のなかに存在します。特に、動物の糞便で汚染された土壌が危険です。

  • 症状

​​感染して3日から3週間からの症状のない期間があった後、口を開けにくい、首筋が張る、体が痛いなどの症状があらわれます。その後、体のしびれや痛みが体全体に広がり、全身を弓なりに反らせる姿勢や呼吸困難が現れたのちに死亡します。

  • ワクチンについて

正しい方法でワクチン接種を行うと免疫が10年間持続します。旅行中にケガをしたときにも破傷風ワクチンが必要になることがありますので、早めに医師に相談して下さい。

(参照:厚生労働省検疫所  A型肝炎B型肝炎破傷風

■(子ども)中国滞在、入学の際に必要なワクチン、定期予防接種

日本で定期予防接種として行われているものは必要です。追加で、成人と同様のワクチンを接種することも推奨されます。
また、中国広州市であれば、髄膜炎菌(4価)の予防接種が勧められているなど、地域によっても異なるので確認が必要です。

入学時に必要なワクチンも、学校によって異なるため要確認です。

また、時期や地域によっては海外で生産されたワクチンの入手が困難な場合があるため、
可能な限り日本でワクチンを接種することが推奨されています。

(参照:世界の医療事情 中国 北京広州重慶上海瀋陽大連青島香港

中国の小児ワクチン定期予防接種(一般)


初回2回目3回目4回目
DPT(3種混合)3ヶ月4ヶ月5ヶ月18ヶ月
DT6歳   
ポリオ(IPV)2ヶ月3ヶ月  
ポリオ(OPV)4ヶ月4歳  
MMR8ヶ月18ヶ月  
BCG出生直後   
A型肝炎(HepA-I)18ヶ月2歳  
A型肝炎(HepA-L)18ヶ月   
B型肝炎出生直後1ヶ月6ヶ月 
日本脳炎(JE-L)8ヶ月2歳  
日本脳炎(JE-I)8ヶ月8ヶ月(1回目の7-10日後)2歳6歳
髄膜炎菌6ヶ月9ヶ月  
A+C 髄膜炎菌3歳6歳  
ロタウイルス任意接種   
Hib任意接種   
小児用肺炎球菌任意接種   
水痘任意接種   
エンテロウイルス71任意接種  
(引用:世界の医療事情 中国 北京

■中国で感染症・病気になったら

中国の医療費については以下の記事をご参照ください。

中国の医療費・医療事情 〜自己負担額にも格差。中国の医療費は高い?〜

中国(上海)の日本語可の病院・クリニックまとめは以下をご参照下さい。

中国(上海)の日本語可の病院・クリニック

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編集者プロフィール

小原万美子
小原万美子
人と組織の可能性が最大化する環境を拡げることをミッションに広報・マーケティングを行う人間。大阪教育大学卒業。卒業後は教育事業会社で広報・採用広報を行い、その後飲食店向けFinTech&SaaS企業にて広報を担当。同時に、日本の誇れる医療を世界中に届けるビジョンに共感し、広報担当として株式会社Medifellowに参画。記事制作、マーケティング、SNS運用、グラフィックデザインを行っている。