ベトナム渡航時に推奨されるワクチン(予防接種)

ベトナム国旗

※本記事の最終更新日 2023年12月

ベトナムへの赴任・渡航時に検討が推奨されるワクチン予防接種についてまとめております。

※他のWebサイト等の情報を参照、一般的な情報提供での掲載です。

■(成人)ベトナム入国の際に必要なワクチン

ベトナム入国の際に必須であるワクチンはありませんが、
アフリカ、中南米の黄熱病の感染リスクの高い国からの入国では、ベトナム入国時にイエローカード(黄熱ワクチン接種証明書)の提示を求められることがあります。

また、ベトナムでかかりやすい感染症の予防として、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチン、破傷風ワクチンを接種することが強く勧められています。

他に、ベトナムで接種が推奨されるワクチンとして、日本脳炎、季節性インフルエンザ、麻疹、風疹が挙げられます。

ベトナムでは飼い犬などの狂犬病ワクチン接種率が低いため、滞在する環境によっては狂犬病ワクチンの接種も推奨されます。(参照:外務省 世界の医療事情 ベトナム

(1)A型肝炎とは?ワクチンについて

  • 感染経路

糞便から排泄されたウイルスが人の手を介して、水や氷、野菜や果物、魚介類を経て口に入ることで感染。過去には、貝類による集団感染も起こります。性交渉も原因になります。

  • 症状

ウイルスに感染後、2~7週間の潜伏期間の後に、急な発熱、倦怠感、食欲不振、吐き気や嘔吐が見られ、数日後には黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなること)が現れます。

成人は小児よりも所見や症状が現れやすく、高齢者では重症度と死亡率が高くなります。ただ、日本では60歳以上の人の多くが免疫抗体を持っています。

感染した場合には、症状の発現前と症状の消失後にも数週間はウイルスを排泄しますので注意が必要です。

  • ワクチンについて

日本では、ワクチンは2~4週間の間隔で2回接種します。約半年後に3回目の接種をすると免疫が強くなり、5年間は有効といわれています。国と製剤によって接種方法が異なるため、ベトナム現地医師の指示に従うことが大切です。

(2)B型肝炎とは?

  • 感染経路

患者との性行為やウイルスに汚染された医療器具の使用により感染。患者から生まれた新生児は生まれた時点で感染することも。

  • 症状

感染後90~150日の症状のない期間があった後、倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛、黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなること)がおこります。皮膚発疹や関節の痛みが生じます。大人での死亡率は1%くらいです。一部の人で慢性化し、肝硬変、癌化の危険性もあります。

(3)破傷風とは?ワクチンについて

破傷風は、破傷風菌がうつることによってかかり、口や手足のしびれがおこる病気です。治療が遅れると死亡する可能性も。

  • 感染経路

けがなど負傷時に傷口から破傷風菌が体の中に入ります。破傷風菌は、世界中の土のなかに存在します。特に、動物の糞便で汚染された土壌が危険です。

  • 症状

​​感染後3日から3週間の症状のない期間があり、口を開けにくい、首筋が張る、体が痛いなどの症状があらわれます。その後、体のしびれや痛みが体全体に広がり、全身を弓なりに反らせる姿勢や呼吸困難が現れたのちに死亡する可能性があります。

  • ワクチンについて

正しい方法でワクチン接種を行うと、免疫が10年間持続。旅行中にケガをしたときにも破傷風ワクチンが必要になることがありますので、早めの医師への相談が大切です。

(参照:厚生労働省検疫所  A型肝炎B型肝炎破傷風

■(子ども)ベトナム滞在、入学の際に必要なワクチン、定期予防接種

ベトナムでは、日本で定期予防接種として行われているワクチン(BCG、ポリオ、DPT、MR、日本脳炎、Hib、B型肝炎、水痘、小児用肺炎球菌、ロタウイルス)の接種が勧められます。

また、年齢によって各ワクチンの有用性は異なるので以下の表を参考に、年齢に応じた定期接種を行う必要があります。

ベトナムの日本人学校では、入学の際にワクチン接種の証明書を提出する必要はありません。
その他のインターナショナルスクールでは学校により取り扱いが異なり、医師の署名入りのワクチン接種証明を求めているところもあります。所定の用紙を準備している学校もあるようですので、事前に確認が必要です。入国前に英文のワクチン接種記録の証明書作成を依頼するのも良いでしょう。(参照:外務省 世界の医療事情 ベトナム

ベトナムの小児ワクチン定期予防接種

 ベトナム初回2回目3回目4回目
BCG出生時~1ヶ月
経口ポリオ2ヶ月3ヶ月4~5ヶ月
B型肝炎出生24時間後
麻疹9ヶ月
麻疹・風疹(MR)18ヶ月
日本脳炎1歳初回から2週間後2回目から12ヶ月後
5種混合ワクチン(DPT、 B型肝炎、 Hib)2ヶ月3ヶ月4~5ヶ月3種混合(DPT)として18ヶ月
(引用:外務省 世界の医療事情 ベトナム

■ベトナム医療費や他国ワクチン・予防接種について

ベトナムの医療費について

ベトナム医療費・医療事情【医療費が意外に高くなる場合も?】

ベトナムの日本語可の病院・クリニックについて

ベトナム(ハノイ・ホーチミン) 日本語可の病院・クリニック

その他の注目記事のまとめ(他国のワクチン・予防接種の必要性についてもまとめております)

※【株式会社Medifellow注目記事まとめ】はこちら※

オンライン診療・医療相談

■日本人専門医によるオンライン診療・医療相談サービスで適切な受診行動を

弊社は33科500人以上の専門医の体制で、海外展開企業(主に海外駐在員)向けのオンライン診療・医療相談サービスを運営。

法人(駐在員)契約で利用可能。

・病気に関する不安解消
・病院受診の必要性の確認
・受診後のセカンドオピニオン
・医療の内容や医療費適正化
・メンタルヘルス等の健康管理

に寄与します。健康経営、福利厚生、感染症BCPの対策に導入をご検討下さい。

オンライン医療相談

【法人向けオンライン診療・医療相談サービスwebサイト】

編集者プロフィール

小原万美子
小原万美子
人と組織の可能性が最大化する環境を拡げることをミッションに広報・マーケティングを行う人間。大阪教育大学卒業。卒業後は教育事業会社で広報・採用広報を行い、その後飲食店向けFinTech&SaaS企業にて広報を担当。同時に、日本の誇れる医療を世界中に届けるビジョンに共感し、広報担当として株式会社Medifellowに参画。記事制作、マーケティング、SNS運用、グラフィックデザインを行っている。