ハワイ旅行で数十万円損する?現役医師が推奨する「持ち物」と体調不良時の対応策【医師レポート】
誰もが憧れるハワイ旅行ですが、実は現地でちょっとした体調不良や怪我に見舞われると、数十万円もの高額請求を受けるリスクがあります。現役の医師であり、株式会社Medifellowの代表取締役CEOの丹羽が現地調査を行った結果、日本とハワイの医療システムの違いを理解していないと、不必要なER(救急外来)受診により、本来不要な費用を支払ってしまうケースが非常に多いことが判明しました。
本記事では丹羽のレポートをまとめ、ハワイ旅行を最高の思い出にするために、「高額医療費を徹底的に回避する方法」と、「持っていくべき常備薬(持ち物)」を具体的に解説します。
さらに、「体調不良時の対応」として、安価で信頼できる代替案(Urgent Careの活用、オンライン医療相談)もお伝えします。
Contents
【ハワイの病院事情】ハワイ旅行で数十万円損する?日本の常識が通用しない2つの壁
ハワイでの滞在期間を最大限楽しむため、まずは現地の医療体制と、日本の感覚が通用しない「救急外来」の現実を知っておく必要があります。
オアフ島の主要病院と、救急外来(ER)受診のハードル
ハワイには大学病院はなく、いくつかの経営母体に分かれる病院があります。多くの方が宿泊するワイキキ地区から近い大きな病院を挙げると、クイーンズ医療センターや、クアキニ医療センター、ストラウブ医療センターなどがあります。
これらの病院はそれぞれ救急外来を有しており、日本のように、さまざまな診療科を持つ総合病院のような役割を果たしています(診療科ごとにビルが異なる病院もあります)。ワイキキで急なケガや体調不良で911(緊急通報)をコールした場合、おそらくこれら3つのうちのどこかに搬送されることになります。
しかし、これらのアメリカの救急外来(ER)を受診するハードルは大変高くなっています。その理由は、大きく下の二つです。
- 長時間待ちのリスク: 重症度の高い患者が優先されるため、風邪や軽症で受診した場合、待ち時間が長くなり、貴重な旅行時間を大幅に浪費する可能性があります。
- 費用の高額化: 待ち時間に関わらず、救急外来での受診は非常に高額になります。これは、救急外来が緊急処置を前提とした施設であるためです。
軽い症状で日本と同じ感覚で受診しようとすると、後悔することになるかもしれません。

【高額請求を避けるために】海外旅行保険の検討を
ハワイの医療費は日本の公的医療保険が適用されず、全額自己負担となります。数十万円規模の請求から身を守る「盾」として、海外旅行保険への加入も検討ください。
ただし、保険に加入したからといって、無条件に病院へ行くのは賢明ではありません。高額請求や時間の浪費を避けるために、以下の2点を確認しましょう。
- キャッシュレス診療の確認:
- 受診前に、加入している保険会社が提携する「キャッシュレス診療可能」な医療機関を確認しましょう。これにより、一時的な高額な立替払いを避けることができます。
- 軽症でのER受診は避ける:
ERは重篤な救急患者のための施設です。軽度の風邪や捻挫などでERを受診すると、保険適用後も自己負担(免責額)が発生したり、長時間待たされたりするリスクがあります。
現役医師が推奨する「持ち物」と体調不良時の正しい対処法
【最重要】医師推奨の「常備薬リスト」
現地ですぐに薬が手に入らないリスクや、用量リスクを避けるため、服用実績のある日本製の薬の持参を推奨します。
- 使い慣れた解熱鎮痛剤:発熱や頭痛、アクティビティ後の筋肉痛などに。
- 胃腸薬・整腸剤:食事の変化や冷たいものの摂りすぎによる胃腸の不調対策に。
- 常用の内服薬:持病がある方は、必ず滞在日数+予備分を持参。
- その他:軽度のやけど(日焼け)用軟膏、経口補水液(粉末)、乗り物酔い薬。
ただし、薬を機内に持ち込む際には、パッケージごと持ち込むなど注意点があるので事前に確認しましょう。
参考:【医師監修】海外旅行、薬の持って行き方は?注意点とおすすめの薬
【手元に薬がない場合】ハワイの薬局事情と、日本人旅行者が知るべき「用量」のリスク
アメリカではセルフケアが当たり前であるため、薬局の体制も整っています。たとえば薬局では、風邪や胃腸炎、アレルギー、ちょっとした怪我などには自分で薬を購入して対処することができます。
オアフで薬局といえば、おみやげも購入できる「Longs drugs」が有名です。そのほかにも、全米チェーンの薬局である「CVS」や「Walgreens」も数多くあり、比較的容易に薬を入手可能です。
さらに、日本でいうコンビニのような役割を果たしている「ABCストア」でも薬を購入できるようになっていて、その一角には十分な品揃えの医薬品コーナーが設けられています。

しかし、身近な場所で薬が手に入るからこそ、注意が必要です。それは、「米国の薬は日本とは用量が異なることがある」ということです。鎮痛剤や解熱剤として使用されるアセトアミノフェンやイブプロフェンなど、日本の薬と比べて有効成分の含有量が多めであるケースがあります。使い慣れない薬を自己判断で服用することは、過剰摂取や予期せぬ強い作用のリスクを伴うため、慎重な判断が求められます。

【薬局で役立つ英単語リスト】
| 症状 | 英単語 |
| 解熱剤 | Fever Reducer |
| 痛み止め | Pain Reliever |
| 胃薬/制酸剤 | Antacid |
| 下痢止め | Anti-Diarrheal |
| 鼻炎/アレルギー | Allergy Relief |
| 乗り物酔い | Motion Sickness |
「病院に行くべきか?」迷った時に使う2つの判断基準
常備薬で対処できず、症状が悪化している場合、病院へ行くか否かの判断が最も重要になります。
911(緊急通報用の電話番号)を呼ぶべき症状と「迷う症状」の対処
意識障害、激しい胸の痛み、大量出血など、命に関わる重症の場合は、躊躇せず911をコールすべきです。
最も危険なのは、「このまま放っておいて大丈夫か?」と判断に迷う中程度の症状です。日本の感覚で安易に救急外来(ER)に行ってしまうと、高額請求という後悔につながります。
判断基準①:軽症なら「Urgent Care Clinic」へ
ER以外に、比較的軽症な急病や怪我に対応するための「Urgent Care Clinic(アージェントケア、緊急診療所)」があります。救急外来よりも費用が安価で待ち時間が短いことが一般的です。
日本人観光客が多く利用する、日本語対応のクリニックも存在します。
| 施設名(例) | 役割と特徴 | 費用相場(ERとの比較) |
| ER(救急外来) | 命に関わる重篤な症状に対応。24時間体制。 | 高額(数千ドル~) |
| Urgent Care Clinic | 軽症の急病・怪我に対応。予約不要で、ERより安価。(日本語対応可の施設あり) | 比較的安価(数百ドル~) |
本調査を実施した丹羽が推薦するのは、ハワイ大学医学部の医学教育にも携わる堀先生が運営している
「ワイキキ緊急医療クリニック(Urgent Care Clinic of Waikiki)」です。X線撮影装置も有していて、ワイキキ地区の病院との連携もしています。
▼ワイキキ緊急医療クリニック
https://www.waikikiclinic.org
判断基準②:迷ったら「オンライン医療相談」でまず日本人医師に相談する
高額な費用や待ち時間の回避、市販薬の選び方、そして現地病院に行くべきか迷った時の、第一の対応策がオンラインでの医師への相談です。
株式会社Medifellowが運営するオンライン医療相談サービス「Medifellow」は、大学病院の医師など500名以上の専門医体制を持つ「オンライン総合病院」です。ハワイにいながら、365日、24時間、日本の医師に相談できます。(要出発前 事前加入)
救急外来に行くべきか、現地薬で対処すべきかの判断に迷った時、日本の専門医に相談することで、的確な判断を仰ぐことができます。オンライン医療相談は、海外旅行への出発までに事前加入頂くことで予約することができます。
▼オンライン医療相談サービス「Medifellow」公式HP
https://medifellow.jp/
【保存版】オアフ島の主要病院・診療所リストまとめ
万が一に備え、ワイキキ周辺の主要な医療機関情報を控えておきましょう。
| 分類 | 施設名 | 所在地(参考リンク) | 特徴 |
| 主要総合病院 | クイーンズ医療センター (The Queen’s Medical Center) | 公式サイト / Googleマップ | オアフ島最大の民間病院の一つ。ER(救急外来)あり。 |
| 主要総合病院 | クアキニ医療センター (Kuakini Medical Center) | 公式サイト / Googleマップ | ホノルルにある歴史ある病院。ER(救急外来)あり。 |
| 主要総合病院(Urgent Careも有り) | ストラウブ医療センター | 公式サイト / Googleマップ | |
| Urgent Care | ワイキキ緊急医療クリニック | 公式サイト(日本語) / Googleマップ | 日本語対応、日本人医師または看護師常駐。無料タクシーサービスあり。 |
まとめ:ハワイ旅行で数十万円を損しないためのチェックリスト
ハワイ旅行中の高額医療費のリスクを回避し、最高の旅を続けるための最重要ポイントは、「不必要な救急外来(ER)受診を避ける」ことです。そのために、出発前には以下の3つを検討ください。
- 【確認】薬局や病院の位置を確認する。
- 【予防】「常備薬」を忘れずに持参する。
- 【安心】オンライン医療相談サービスや、海外旅行保険の事前加入を検討する
突然の体調不良に備えて、オンライン医療相談サービス「Medifellow」の加入もご検討ください。(要事前加入)
\ 24時間受付!旅先で日本人医師に相談 /
「Medifellow」サービスページ:https://corporate.medifellow.jp/travel
【レポート執筆・記事監修】医師・株式会社Medifellow 代表取締役 丹羽 プロフィール

株式会社Medifellow 代表取締役CEO
丹羽 崇 (Takashi Niwa)
2005年愛知医科大学医学部卒業。2017年神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科および倉敷中央病院呼吸器内科にて臨床研究管理者・呼吸器インターベンション指導医を兼務。総合内科専門医・指導医、呼吸器専門医・指導医、気管支鏡専門医・指導医などの資格を有するほか、世界肺癌学会、欧州呼吸器学会、米国胸部学会など国内外学会での活動実績や受賞歴を複数有する。現在も診療ガイドライン作成委員や厚生労働省難病指定疾患研究班委員を務め、胸部血管内治療や気管支鏡診断・治療の発展に努めている。
◎海外滞在中の、日本人専門医によるオンライン診療・医療相談サービスについて
海外での急な体調不良や怪我など、医療面での不安に。
弊社は33科500人以上の専門医の体制で、海外旅行者・出張者・駐在員向けのオンライン診療・医療相談サービスを運営しています。
厚労省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に準拠、「オンライン受診勧奨」サービスを提供、必要に応じて、現地病院受診時の紹介状作成等も行っております。また、厚労省の実施する「オンライン診療研修」を修了の専門医が対応に当たっています。
・病気に関する不安解消
・病院受診の必要性の確認
・受診後のセカンドオピニオン
・医療の内容や医療費適正化
・メンタルヘルス等の健康管理
に寄与します。海外旅行保険だけではカバーできない、医療面での不安解消にご検討ください。
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編集者プロフィール

- 人と組織の可能性が最大化する環境を拡げることをミッションに広報・マーケティングを行う人間。大阪教育大学卒業。卒業後は教育事業会社で広報・採用広報を行い、その後飲食店向けFinTech&SaaS企業にて広報を担当。同時に、日本の誇れる医療を世界中に届けるビジョンに共感し、広報担当として株式会社Medifellowに参画。記事制作、マーケティング、SNS運用、グラフィックデザインを行っている。


