【現役医師が解説】サンフランシスコの医療費は高い?知っておくべき医療事情と病院・市販薬の選び方

サンフランシスコ 薬局

ゴールデンゲートブリッジを望むサンフランシスコ。ベイエリアの美しい街並みは、誰もが一度は憧れる場所です。ケーブルカーでの街巡りや、ナパ・バレーでのワイナリー巡りなど、観光の魅力は尽きません。
しかし、滞在中にふと不安になるのが「もし体調を崩したらどうしよう」ということではないでしょうか。特に気になるのは高額と言われるアメリカの医療費です。
今回は、株式会社Medifellowの代表取締役CEOであり現役医師の丹羽が、実際にサンフランシスコの現地病院や薬局などの医療事情を調査しました。サンフランシスコ滞在中に知っておくべき病院の選び方、医療費の実態、そして万が一の時の対処法を、医師の視点からお伝えします。

サンフランシスコの医療水準と医療費の実態

サンフランシスコの医療水準

サンフランシスコの医療水準については、心配する必要はありません。この都市には、世界的に有名なカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)があり、大学附属の病院が市内の多数のビルを占めていて、臓器別に分かれています。ベイエリアの病院の大多数はUCSFに紐づく医師が勤務していて、医療レベルは非常に高いと言えます。丹羽も、現地で最先端の医療技術を視察しました。スタンフォード大学近辺の「El Camino Health」という病院を訪問し、ロボット気管支鏡の最新施術を見学・トレーニングしています。

「El Camino Health」とロボット気管支鏡
丹羽撮影:「El Camino Health」外観(左)とロボット気管支鏡(右)

「El Camino Health」Googleマップ: El Camino Health – Mountain View Hospital

軽症でも「高額」になるサンフランシスコの医療費とケガのリスク

医療レベルの高さは安心できますが、渡航者が最も警戒すべきは費用です。UCSF関連の病院も、費用は「非常に高額となる」ことは確実と言えます。

特にサンフランシスコは「坂の多い街」というより、「坂ばかり」の街です。そのため、慣れない道を散策する中で転倒や捻挫といった怪我(外傷)などのリスクが高くなります 。外傷治療も費用が高額になる可能性が高いので、いざという時に困らないように保険への加入を強くお勧めします。

「長時間待ったのに、軽く診療して終了?」日本とアメリカの診療文化の違い

もう一つ知っておくべきは、日本とアメリカの診療文化の違いです。

アメリカでは一般的に、よほど重症でないと病院を受診しません。病院もある程度は受付順に診療しますが、重症度の高い患者が優先されます。

もし日本と同じ感覚で軽症(風邪など)で病院を受診すると、「長時間待ったのに、ちょっと診てもらっただけで終わった」ということが生じ得ます。滞在中の貴重な時間を無駄にしないためにも、受診すべきか否かの判断は慎重にされることをお勧めします。

病院の待ち時間

病院に行く前に!サンフランシスコの「薬局」を利用する(軽症の対処法)

現地の三大薬局「Walgreens」「CVS」「Safeway」

軽度の体調不良であれば、まずは病院ではなく薬局(ドラッグストア)を利用しましょう。サンフランシスコ市内では、「Walgreens」「CVS」「Safeway」の3つが三大薬局です。

いずれの薬局も、日本でOTC医薬品(一般用医薬品)と呼ばれる薬が充実しています。夜になって熱が出た、生牡蠣に当たって嘔吐した、などの急な体調不良でも、ホテル近くの薬局で薬を購入できます。

サンフランシスコ 薬局
フィッシャーマンズワーフ付近にあるCVS。レンガ作りで、景観に溶け込む形で営業しています。(丹羽撮影)
Walgreens
ユニオンスクエア近辺のWalgreens。夜遅くまで営業しています。(丹羽撮影)

軽症なら薬局で対処可能だが、「用量」に注意

風邪や軽症のケガ、アレルギー症状、腹痛といった軽度の体調不良であれば、上記の薬局で購入することで対処が可能です。

ただし、注意が必要なのは容量です。アメリカの市販薬は、含有されている物質の用量が日本よりも多めである可能性があります。自己判断で服用せず、パッケージを確認して使用するのが良いでしょう。

医師がチェック!現地薬局の市販薬

実際に薬局の棚を見てみると、胃の不調や吐き気止めの「Nauzene」「Gaviscon」、そして鎮痛・解熱剤の「TYLENOL(タイレノール)」などが数多く陳列されていました 。

これらは一般的な薬ですが、ご自身の体質や症状に合っているか、また日本で服用している薬との飲み合わせは大丈夫か、服用前に専門家の意見を聞くことが最も安全です。

サンフランシスコ薬局の薬

病院受診・市販薬の判断に迷ったら、オンライン医療相談を検討

サンフランシスコの医療水準は高いですが、「高額な費用」と「長時間待機」という高いハードルがあります。また、市販薬もどの薬を選ぶと良いのか、不安もあるでしょう。

  • 「この熱は薬局の薬で乗り切っていいのか?」
  • 「捻挫だと思ったが、骨折の可能性はないか?すぐに病院へ行くべきか?」

このように、病院受診・市販薬の服用など判断に迷う時は、オンライン医療相談サービスの活用も検討しましょう。

「medifellow」の利用で、500名以上の専門医に日本語で医療相談

オンライン医療相談サービス「medifellow」では、大学病院の医師など500名以上の優秀な日本人専門医が在籍しています。現地での具体的な症状をお話しいただければ、日本の専門医の知見から「すぐに病院へ行くべきか」「どのような市販薬を選ぶべきか」などを判断し、的確なアドバイスを受けることができます。また、総合診療科では通常1時間以内で医療相談を受けることができるため、一次対応として相談することが可能です。高額な医療費や長い待ち時間を避けるためにも、まずはオンラインで日本人医師に相談し、冷静な判断を下すことが、安全安心な旅の鉄則です。

オンライン医療相談サービス

サンフランシスコの医療事情まとめ

サンフランシスコは、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)関連病院を筆頭に医療レベルが高く、重症の病気にかかっても安心して医療を受けることができます。また、薬局も充実しており、軽症であれば十分に対処可能です。ただし、現地病院の受診や薬の選び方に迷いがある場合は、第一にオンライン医療相談の受診も検討しましょう。

サンフランシスコは見どころがたくさんあって気候のいい街ですので、ぜひ安全安心で滞在を楽しんでください。

米国胸部学会(ATS 2025)と丹羽
株式会社Medifellow CEOの丹羽は、今回の視察に合わせて米国胸部学会(ATS 2025)にも出席し、遠隔医療のセッションでディスカッションを行っています。弊社では常に最新の医療情報を取り入れています。

◎海外滞在中の、日本人専門医によるオンライン診療・医療相談サービスについて

海外での急な体調不良や怪我など、医療面での不安に。

弊社は33科500人以上の専門医の体制で、海外旅行者・出張者・駐在員向けのオンライン診療・医療相談サービスを運営しています。

厚労省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に準拠、「オンライン受診勧奨」サービスを提供、必要に応じて、現地病院受診時の紹介状作成等も行っております。また、厚労省の実施する「オンライン診療研修」を修了の専門医が対応に当たっています。

・病気に関する不安解消
・病院受診の必要性の確認
・受診後のセカンドオピニオン
・医療の内容や医療費適正化
・メンタルヘルス等の健康管理

に寄与します。海外旅行保険だけではカバーできない、医療面での不安解消にご検討ください。

【法人向けオンライン診療・医療相談サービスwebサイト】

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編集者プロフィール

小原万美子
小原万美子
人と組織の可能性が最大化する環境を拡げることをミッションに広報・マーケティングを行う人間。大阪教育大学卒業。卒業後は教育事業会社で広報・採用広報を行い、その後飲食店向けFinTech&SaaS企業にて広報を担当。同時に、日本の誇れる医療を世界中に届けるビジョンに共感し、広報担当として株式会社Medifellowに参画。記事制作、マーケティング、SNS運用、グラフィックデザインを行っている。
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