ベトナム医療費・医療事情【医療費が意外に高くなる場合も?】
先日医療事情をご紹介したインドに続き、海外進出日本企業において、今後駐在員や現地従業員が増加予定のベトナム。
ジェトロの2022年調査によると、ベトナム現地労働者の給与は2022年第2四半期の全国の平均月収で660万ドン(約3万8,280円、1ドン=約0.0058円)となっております。また、日本と比べてベトナムの物価は1/3~1/4程度と言われています。特にベトナムの日本人駐在員は日本水準の給与で物価が低い中で生活できるため、生活にはある程度余裕のある状態だと考えられます。(参照:JETRO 雇用はサービス業中心に微増、平均月収の増加続く(ベトナム))
ベトナムの医療費はどうでしょうか。いざ大きな病気や怪我になると、ベトナムでは医療費が予想以上に高くなる可能性があります。ベトナムに駐在員を派遣する場合や、長期滞在する場合は注意が必要です。本記事では、ベトナムの病院事情含め、ベトナムの医療事情や医療費についてまとめています。
Contents
●医療費が高くなるケースも?ベトナムの医療費、医療事情
ベトナムの医療事情について、外務省Webサイトでは以下のように述べられています。
医療環境・水準ともに日本や周辺アジア先進国と比べ劣ります。
出典:外務省 世界の医療事情 ベトナム
公立医療機関と私立医療機関においても医療環境は大きく異なります。公立では医療スタッフ、患者受容能力、医療機器等の絶対数が不足しています。
われわれ外国人が公立病院を受診することは、言葉の問題があり交通事故など緊急時以外は滅多にありません。他方、ハノイやホーチミン市には近代的な医療機器を備えた私立病院・クリニックがいくつかあり、最近では日系クリニックの進出や日本人医療従事者が勤務する医療機関も増えてきました。
一方で、診断の難しい病気や高度な医療が必要な時は、日本や近隣医療先進国へ緊急移送される場合があります。予め高額医療費に対応できる特約がある海外旅行傷害保険に加入することが強く推奨されます。
ベトナムで病気にかかった際、高度な病院を受診するためには、日本や近隣の医療先進国に行かなければならないため、医療費が高くなる場合もあります。ベトナムに限らず、新興国では同様のケースが考えられます。
●ベトナムの医療費(ホーチミン)単位:円
ベトナム、ホーチミンのとある私立病院の医療費です。アメリカなどと比べると、ベトナムと日本は医療費の差が比較的少ないと考えられます。(アメリカ医療費等まとめ-アメリカ医療費なぜ高い?日本と比較して何倍?-)
項目 | ベトナムホーチミンのとある病院の医療費 | 日本の医療費 |
救急車の料金 | ①公営:5,000 ②民営:9,400~ | ①無料 ②通常利用しない |
初診料 | 8,200 | 2,820 |
病院部屋代 (1日当たり) | ①個室:70,400 ②ICU:- | ①個室:30,000~100,000 ②ICU:80,000~100,000 |
骨折時の治療費、医療費 | 18,100 | 20,000 |
ファミリードクター制度 | あり *緊急時を除き、(歯科等一部を除き)全科診察可能な医師の診察を受け、その後必要に応じ専門医へ紹介 | なし *初診から専門医の受診が可能(ただし、総合病院等で紹介状が必要な場合あり) |
●ベトナムでの事故実例と医療費(治療・救援費用保険金支払額 単位:円)
ベトナムでは高度医療や医療搬送が必要となった場合は、医療費も高くなることが予想されます。
病気を発症した時への備えも大切ですが、発症する前の対策も重要になると考えられます。
友人から黄疸の症状を指摘され受診。膵腫瘍と診断され4日間入院。 | 4,070,000 |
胸の痛みを訴え受診。心筋梗塞と診断され、チャーター機でバンコクまで医療搬送し12日間入院。家族が駆けつける。 | 9,683,931 |
めまい・呼吸困難を訴え受診。6日間の入院中、ふらつきによる転倒で腰椎圧迫骨折。家族が駆けつける。医師が付き添い医療搬送。 | 4,482,303 |
手足のしびれ・感覚麻痺を訴え受診。硬膜下血腫と診断され15日間入院・手術。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添い医療搬送。 | 4,482,432 |
足がもつれ転倒し救急車で搬送。心不全・心筋梗塞・心房細動と診断され現地病院から設備が整った病院へ搬送後9日間入院。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添い医療搬送。 | 4,594,385 |
朝、めまいがし体が動かなくなる。脳梗塞と診断され12日間入院。医師・看護師が付き添い医療搬送。 | 4,530,000 |
●ベトナムの医療費(医療事情)まとめ
ベトナムは、物価や医療費は高くないと考えられるものの、大きな病気や怪我が生じた場合には、他国に搬送されたり高度な医療を私立病院で受けたりと、医療費が高くなる場合があり、万が一の事態になった際のリスク管理が重要になってくると考えられます。ベトナムに、長期派遣、駐在をする場合は、事前にリスク対策することも重要になりそうです。
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弊社は33科500人以上の日本人専門医の体制で、海外展開企業(主に海外駐在員)向けのオンライン診療・医療相談、メンタルヘルスサービスDoctorfellowを運営しております。厚労省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に準拠、「オンライン受診勧奨」サービスを提供、必要に応じて、現地病院受診時の紹介状作成等も行っております。また、厚労省の実施する「オンライン診療研修」を修了の専門医が対応に当たっています。病院の受診前後に活用、不安解消はもとより、医療の内容や医療費適正化、生産性向上に寄与します。健康経営、福利厚生、感染症BCPの対策に導入をご検討下さい。
編集者プロフィール
- 人と組織の可能性が最大化する環境を拡げることをミッションに広報・マーケティングを行う人間。大阪教育大学卒業。卒業後は教育事業会社で広報・採用広報を行い、その後飲食店向けFinTech&SaaS企業にて広報を担当。同時に、日本の誇れる医療を世界中に届けるビジョンに共感し、広報担当として株式会社Medifellowに参画。記事制作、マーケティング、SNS運用、グラフィックデザインを行っている。
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