海外渡航・赴任前に推奨されるワクチン予防接種は?子どもの入学時にも注意!

ワクチン予防接種

海外渡航者(赴任者)のワクチン予防接種には、主に2つのパターンがあります。
1、入国時や帯同家族(子ども)の入学などで提示が必須になるワクチン予防接種
2、海外で感染症にかからないようにからだを守るワクチン予防接種

この記事では、2つのパターンで海外渡航・赴任前に推奨されるワクチン予防接種についてまとめています。

1、海外入国時や帯同家族(子ども)の入学などで接種証明書の提示が必須になるワクチン予防接種

入国時に必要なワクチンは、渡航先や出発地によって異なり、必要な場合は特定の病気に対する予防接種が必要となります。
一般的に、以下の病気に対する予防接種が必要とされる場合があります。

黄熱病ワクチン

アフリカや南米の一部地域では、黄熱病ワクチン接種が必要となる場合があります。入国時に黄熱病ワクチン接種証明書の提示が求められることがあります。
(例:アラブ首長国連邦では、黄熱に感染する危険のある国から来る、生後9か月以上の渡航者には黄熱予防接種証明書が要求されています。参照:厚生労働省 黄熱に注意しましょう!

ポリオワクチン

ポリオは世界中で予防接種が推奨されていますが、一部の国では入国時にポリオワクチン接種証明書の提示が求められることがあります。
(例:パキスタン政府は、WHOの緊急勧告に伴い、同国に4週間以上滞在する外国人を含めた全ての人にポリオ予防接種を義務化しており、WHOが推奨する国際予防接種証明書にて接種の記録を確認しています。(参照:外務省 ポリオの発生状況

結核(検査の証明書が必要)

入国時や現地校への入学・入園の際に結核の検査が必要となる場合があります。

(例:アメリカでは、長期滞在入国者(海外出張・赴任・留学など)に、活動性結核の検査を要求します。これは結核感染症に対する水際対策です。結核検査として、ツベルクリン検査やIGRAが必要となります。)

その他の病気

国によっては、ジフテリア、破傷風、百日咳、麻疹、風疹、水疱瘡、B型肝炎、A型肝炎、C型肝炎などの病気に対する予防接種が必要とされる場合があります。

海外で入国前に必要なワクチンについては、海外渡航先の保健所や外務省のウェブサイトなどで確認することが重要です。

■学校入学・留学時に必要なワクチン〜アメリカの例〜

アメリカの現地校に入学(入園)・留学をする際にはワクチン接種証明の提出を求められます。入学前の見学時にも証明書の提示が求められるケースがあります。

一般的に接種証明書を求められることが多いのは、
【MMR=風疹・麻疹・おたふくかぜ】ワクチンとなっています。

出国前に、以下の対応をしておくことが大切です。

  1. 必要なワクチンの種類と接種回数を確認する
    州によっても規定が異なりますが、必要な接種回数が日本と異なることがあるため注意が必要です。
  2. 母子手帳やかかりつけ病院で接種記録を確認する
  3. 母子手帳がない、記録がない場合は、病院または予防接種センターで、抗体検査を受ける
  4. 抗体検査で抗体が無ければ、必要な予防接種を受ける。

そのほかにも、ジフテリア(Diphteria)、破傷風(Tetanus)、小児麻痺(Polio)、肝炎(Hepatitis)、BCG、結核(検査を受け、異常のないことを証明すること。)、Meningococcal Meningitis(髄膜炎)のワクチン接種記録証明書の提出が求められる場合があります。

(例:メリーランド州やワシントンDCでは、ツベルクリン反応又はIGRA(BCGの影響を受けない血液による結核の検査で、5歳以上であれば検査可能)と呼ばれる結核感染の有無を調べる検査が要求されています。参照:外務省 世界の医療事情 アメリカ合衆国

他国の入学・入園時のワクチン接種の必要性については、外務省ウェブページにてご確認ください。

2、海外で感染症にかかるリスクを下げるワクチン予防接種

海外では、渡航・府に先の国や地域によっては、日本にはない感染症が発生しています。
また、日本にいる時よりも感染する危険が大きい病気もあります。

ワクチン予防接種を受けることで予防できる病気は限られていますが、ワクチン予防接種を受けることで感染症にかかるリスクを下げることができます。

必要なワクチン予防接種は、

  • 渡航先
  • 渡航期間
  • 渡航形態(長期滞在(赴任)、留学、旅行)
  • 自身の年齢
  • 健康状態
  • 予防接種歴

などによって異なります。事前に海外渡航先の感染症情報を収集するとともに、
それぞれのワクチン予防接種について理解した上で、どのワクチン予防接種を受けるかを決める必要があります。

■ワクチン予防接種の種類と推奨される人

ワクチン予防接種対象
黄熱感染リスクのある地域に渡航する人入国に際して証明書の提示を求める国へ渡航する人
A型肝炎途上国に長期(1か月以上)滞在する人、特に70歳以下
B型肝炎血液や体液に接触する可能性のある人
破傷風冒険旅行などでけがをする可能性の高い人
狂犬病イヌやキツネ、コウモリなどの哺乳動物が多い地域へ行く人で、特に近くに医療機関がない地域へ行く人動物研究者など、動物と直接接触する人
ポリオ流行地域に渡航する人
日本脳炎流行地域に長期滞在する人(主に東南アジアでブタを飼っている農村部)
麻しん風しんインフルエンザ        海外へ渡航しない人も含めて、すべての人
新型コロナ海外へ渡航しない人も含めて、すべての人入国に際して証明書の提示を求める国へ渡航する人
髄膜炎菌流行地域に渡航する人、定期接種実施国へ留学する人
(引用:厚生労働省 海外渡航のためのワクチン(予防接種)

■日本で接種可能なワクチン予防接種の種類(2023年4月現在)

【定期接種】
【臨時接種】
(対象年齢は政令で規定)
生ワクチン
■BCG
■ 麻疹・風疹混合 (MR)
■ 麻 疹 (はしか)
■ 風 疹
■ 水 痘
■ ロタウイルス:1価,5価

不活化ワクチン・トキソイド
■ 百日咳・ジフテリア・破傷風・不活化ポリオ混合 (DPT-IPV)
■ 百日咳・ジフテリア・破傷風混合 (DPT)
■ ポリオ (IPV)
■ ジフテリア・破傷風混合トキソイド (DT)
■ 日本脳炎
■ 肺炎球菌 (13価結合型)
■ インフルエンザ菌b型 (Hib)
■ B型肝炎
■ ヒトパピローマウイルス (HPV):2価,4価,9価
■ インフルエンザ
■ 肺炎球菌 (23価莢膜ポリサッカライド)
■ 新型コロナ

mRNAワクチン・ウイルスベクターワクチン
■ 新型コロナ
【任意接種】生ワクチン
■ 流行性耳下腺炎 (おたふくかぜ)
■ 黄 熱
■ 帯状疱疹(水痘ワクチンを使用)

不活化ワクチン・トキソイド
■ 破傷風トキソイド
■ 成人用ジフテリアトキソイド
■ A型肝炎
■ 狂犬病
■ 髄膜炎菌:4価
■ 帯状疱疹
■ 肺炎球菌 (15価結合型)
※定期接種を対象年齢以外で受ける場合
(引用:国立感染症研究所 日本で接種可能なワクチンの種類)

海外に渡航する際は、入国時にワクチン接種証明書が必要とされない場合でも、
厚生労働省検疫所webページにて、滞在国・地域の感染症情報を確認し、リスクヘッジのためにもワクチン予防接種をうけることが推奨されます。

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編集者プロフィール

小原万美子
小原万美子
人と組織の可能性が最大化する環境を拡げることをミッションに広報・マーケティングを行う人間。大阪教育大学卒業。卒業後は教育事業会社で広報・採用広報を行い、その後飲食業界向けDX企業にて広報を担当。同時に、日本の誇れる医療を世界中に届けるビジョンに共感し、広報担当として株式会社Medifellowに参画。記事制作、マーケティング、SNS運用、グラフィックデザインを行っている。