【医師監修】2026年4月改定、介護施設が知るべき「オンライン診療受診施設」の届出とは?医療法改正の要点と看護師負担の軽減策を解説
※本記事の最終更新日 2026年4月
2026年(令和8年)4月1日、「医療法等の一部を改正する法律」(2025年12月公布)により、オンライン診療はこれまでのガイドライン(指針)ベースの運用から、医療法に明確に位置づけられた制度へと移行しました。 介護施設にとって最も影響が大きいのは、施設内でオンライン診療を受ける場所を設けた場合に「オンライン診療受診施設」として届出が必要になった点です。本記事では、届出実務の具体的な内容と、現場負担を最小化するための運用策を解説します。
Contents
「オンライン診療受診施設」とは何か
オンライン診療受診施設とは、患者がオンライン診療を受ける場所として提供される施設のことです。医療機関でなくてもオンライン診療受診施設を設置することができ、公民館、郵便局、駅ナカブースなどが想定されています。 介護施設も同様に設置主体になります。
今回の改正の核心は、オンライン診療を単なる「遠隔での診察」と捉えるのではなく、施設側が責任を持って提供する法的な医療インフラとして明確化した点にあります。
届出の実務:いつ・どこに・何を提出するか
改正後はオンライン診療の実施が届出制となり、不適切な運用を行う施設等に対して都道府県が立入検査や是正命令を行うことが可能になりました。
- 提出期限:オンライン診療受診施設は、設置後10日以内に都道府県へ届出を提出する必要があります。なお、届出先の窓口は都道府県ごとに異なるため、管轄の担当部局に事前に確認してください。
- 施設に求められる基準の主なポイント:
- 対面診療との適切な組み合わせ(全面オンライン化は不可)
- 診察内容が外部に漏れない個室または専用ブースの確保
- 安定した通信環境の整備
注意点:2026年4月1日の施行時点ですでにオンライン診療を実施している医療機関については、事務負担を考慮して2027年3月末までに届け出ることができる経過措置が設けられています。ただし、新たに設置する施設は原則として10日以内の届出が必要です。
「協力医療機関」の確保義務:正しく理解する
「協力医療機関の義務化」という言葉をよく耳にしますが、正確な理解が必要です。
2024年度介護報酬改定で、介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院等については、入所者の病状急変時に相談・診療を行う体制を常時確保した協力医療機関を定めることが義務化されました。ただし、2027年3月末までの経過措置が設けられています。
一方、特定施設入居者生活介護・認知症対応型共同生活介護については、同様の対応が努力義務とされています。
- 2026年の診療報酬改定との関係:協力医療機関とのオンラインでの定期的な情報共有や会議体制を整備した場合、「協力医療機関連携加算」などの介護報酬上の評価につながる可能性があります。施設の算定要件を確認し、積極的に活用することを推奨します。
- 期待される効果:平時から介護保険施設と医療機関が連携関係を構築することで、施設入所者の状態が悪化した場合に安易に救急搬送を依頼せず協力医療機関で対応できる仕組みが整います。
- 問題点:すべての協力医療機関が、いつでもオンライン診療を提供できるとは限りません。特に、24時間対応が可能かつ協力医療機関になることができる施設は限られます。
看護師の「診療補助」負担:D to P with N とは
オンライン診療を導入する際に現場で最も懸念されるのが、看護師の業務負担増です。医師が画面越しに直接診察できない部分を補うために、看護師が同席して補助を行う「D to P with N(医師-患者-看護師)」という形態が有効とされていますが、看護師による24時間の常駐体制の維持は、困難を伴う場合があります。
- 看護師の役割:バイタル測定(血圧・体温など)、患部のカメラ映写、医師への状態報告など。
- 課題:オンライン診療中は看護師がいることが望ましいため、オンライン診療のみの導入だと夜間や休日の対応に限界が生じる可能性がある
【解決策】「2段構え」の運用で現場負担を最小化する
全症例に対して看護師同席のオンライン診療を適用することは、施設運営を圧迫する要因となる可能性があります。そこで注目されているのが、まず「オンライン医療相談」を介して対面受診の必要性を判断するという効率的な運用です。これはオンライン診療指針のなかで「診療前相談」として明記されている重要な医師の関わり方です。
| 比較項目 | オンライン診療(診察) | オンライン診療前相談(例:Medifellow) |
| 主な目的 | 診察・処方 | 受診の要否・緊急性の相談 |
| 法的手続き | 都道府県への届出が必要 | 届出不要 |
| 看護師の同席 | 望ましい | 不要 |
| 主な活用場面 | 慢性疾患の定期受診など | 夜間・休日の急変時の判断など |
推奨される進め方:
STEP 1:まずオンライン医療相談で緊急性を確認=診療前相談
夜間や休日に入所者の状態変化が起きた場合、まず医療相談サービスを通じて専門医に「今すぐ受診が必要か」を確認します。「経過観察で大丈夫」と判断されればオンライン診療に移行せずに済み、看護師の拘束も防げます。
STEP 2:必要な場合のみオンライン診療もしくは救急受診へ
相談の結果、治療や処方が必要と判断された場合のみ、協力医とのオンライン診療、もしくは救急受診に切り替えます。事前に情報が整理されているため、診察時間の短縮にもつながります。

まとめ:制度に「無理なく対応する」が最重要
2026年4月の改正は、オンラインを活用して医療と介護の連携をより実効性の高いものにするための重要な一歩です。
- 新たにオンライン診療の場所を設ける施設は10日以内に届出
- 協力医療機関の確保は施設種別・経過措置を正確に把握して対応
- 現場負担を減らすには医療相談とオンライン診療の使い分けが鍵
法改正をきっかけに「すべてをオンライン診療に切り替えなければならない」と焦る必要はありません。まずは事務手続きが不要なオンライン医療相談の体制から整えることが、職員の負担を増やさず安定した施設運営につながる近道です。
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参考資料:厚生労働省
【記事監修】医師・株式会社Medifellow 代表取締役 丹羽 プロフィール

丹羽 崇
2005年愛知医科大学医学部卒業。2017年神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科および倉敷中央病院呼吸器内科にて臨床研究管理者・呼吸器インターベンション指導医を兼務。総合内科専門医・指導医、呼吸器専門医・指導医、気管支鏡専門医・指導医などの資格を有するほか、世界肺癌学会、欧州呼吸器学会、米国
全診療科対応、専門医によるオンライン医療相談サービス「Medifellow」について
弊社では、33科・500名以上の専門医体制によるオンライン診療・医療相談サービスを提供しています。インターネット環境があれば365日いつでも相談でき、必要に応じて現地医療機関の受診判断や紹介状の作成にも対応しています。
本サービスは、厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に準拠し、
同省が実施するオンライン診療研修を修了した専門医が対応しています。
【本サービスでできること】
・ 病気や症状に関する不安の相談
・ 現地病院を受診すべきかどうかの判断
・ 受診後のセカンドオピニオン
・ 医療内容や医療費に関する相談
・ メンタルヘルスを含む健康管理
オンライン上の総合病院の役割を果たし、介護施設に「医療へのアクセス」を届けます。
介護施設利用者および従業員向けに「リモート診療サービス」を提供開始
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▼お問い合わせはこちら:https://medifellow.jp/contact
また、海外旅行者、駐在員、帯同家族など、海外滞在中の日本人向けオンライン医療サービスも行っております。
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編集者プロフィール

- 「一人ひとりの心と役割が輝く社会を創る」ことをミッションに、マーケティング、カスタマーサクセス(コミュニティ)、PRの一貫したコミュニケーション作りを担う。大阪教育大学卒業。卒業後は教育事業会社で広報・採用を行い、その後飲食店向けFinTech&SaaS企業にてProductPR、カスタマーサクセス、コミュニティ運営を担当。同時に、日本の誇れる医療と安心を世界中に届けるビジョンに共感し、広報担当として株式会社Medifellowに参画。広報、マーケティング、グラフィックデザインを行っている。


