タイ渡航時に推奨されるワクチン(予防接種)・注意すべき感染症

※本記事の最終更新日 2023年6月
タイへの赴任・渡航時に検討が推奨されるワクチン予防接種、駐在中に気を付けたい感染症・病気についてまとめております。
※他のWebサイト等の情報を参照、一般的な情報提供としての掲載です。
Contents
■タイ渡航時、気をつけたい病気は?
タイ渡航時に気を付けたい感染症・病気としては、デング熱、チクングニア熱、マラリア、狂犬病などが挙げられます。詳しくは、厚生労働省「タイ 気候と気をつけたい病気、受けておきたい予防接種、持っていきたい薬」をご確認下さい。
■(成人)タイ入国の際に必要/推奨されるワクチン
タイ入国に際して全員が必要とされるワクチンはありませんが、
黄熱病の感染リスクの高い国からの入国では、タイ入国時にイエローカード(黄熱ワクチン接種証明書)の提示を求められます。
他にも、かかりやすい感染症の予防として、破傷風ワクチン、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチンを接種しておくことが勧められています。
また、犬や野生動物との接触が予想される場合は狂犬病のワクチンを、
農村部に長期滞在する場合は日本脳炎のワクチンも接種しておくことが推奨されます。
(参照:厚生労働省検疫所 タイ 気候と気をつけたい病気 )
(1)A型肝炎とは?ワクチンについて
A型肝炎はA型肝炎ウイルスによる一過性の感染症です。
- 感染経路
糞便から排泄されたウイルスが人の手を介して、水や氷、野菜や果物、魚介類を経て口に入ることで感染します。過去には、貝類による集団感染もありました。性交渉時に感染することもあります。
- 症状
ウイルスに感染し、2~7週間の潜伏期間の後に、急な発熱、全身のだるさ、食欲不振、吐き気や嘔吐が見られ、数日後には黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなること)が現れます。
成人は小児よりも所見や症状が現れやすく、高齢者では重症度と死亡率が高くなります。ただし、日本では60歳以上の人の多くが免疫抗体を持っています。
感染した場合には、症状の発現前と症状の消失後にも、数週間はウイルスを排泄しますので、他人に感染させないように注意しましょう。
- ワクチンについて
日本では、ワクチンは2~4週間の間隔で2回接種します。約半年後に3回目の接種をすると免疫が強化され、5年間は有効といわれています。国と製剤によって接種方法が異なるため、海外では医師の指示に従ってください。
(2)B型肝炎とは?
B型肝炎は、B型肝炎ウイルスに感染することにより発症します。B型肝炎ウイルスは人から人へと感染します。
- 感染経路
患者との性行為やウイルスに汚染された医療器具の使用により感染します。患者から生まれた新生児は生まれた時点で感染していることがあります。
- 症状
感染して90~150日の症状のない期間があった後、倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛、黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなること)がおこります。皮膚発疹や関節の痛みが生じることがあります。大人での死亡率は1%くらいです。一部の人で慢性化し、肝硬変になったり、癌化することがあります。
(3)破傷風とは?ワクチンについて
破傷風は、破傷風菌がうつることによってかかり、口や手足のしびれがおこる病気です。治療が遅れると死亡することがあります。
- 感染経路
けがをしたときに傷口から破傷風菌が体の中に入ります。破傷風菌は、世界中の土のなかに存在します。特に、動物の糞便で汚染された土壌が危険です。
- 症状
感染して3日から3週間からの症状のない期間があった後、口を開けにくい、首筋が張る、体が痛いなどの症状があらわれます。その後、体のしびれや痛みが体全体に広がり、全身を弓なりに反らせる姿勢や呼吸困難が現れたのちに死亡します。
- ワクチンについて
正しい方法でワクチン接種を行うと免疫が10年間持続します。旅行中にケガをしたときにも破傷風ワクチンが必要になることがありますので、早めに医師に相談して下さい。
■(子ども)タイ滞在、入学の際に必要なワクチン、定期予防接種
日本で定期予防接種として行われているものは必要です。また、タイ渡航時には、任意接種のワクチンのうち、水痘ワクチン、おたふく風邪ワクチン、A型肝炎ワクチンの接種も薦められます。日本脳炎ワクチンは、日本と違い生ワクチンを用いています。
また、タイのバンコク日本人学校、シラチャ日本人学校とも入学に際してワクチン予防接種記録の提出は不要です。
タイ現地の公立学校は、入学に際してワクチンの予防接種記録を提出する必要があります。
インターナショナルスクールなど私立学校では、各々の学校が独自に基準を定めており事前確認が必要です。
(引用:世界の医療事情 タイ)
タイの小児ワクチン定期予防接種
初回 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 6回目 | |
BCG | 出生時 | |||||
B型肝炎 | 出生時 | 1ヶ月 | ||||
DTP-HB | 2ヶ月 | 4ヶ月 | 6ヶ月 | |||
DTP | 1歳半 | 4歳 | ||||
dT | 小学6年次 | |||||
ポリオ(経口) | 2ヶ月 | 4ヶ月 | 6ヶ月 | 1歳半 | 4歳 | |
ポリオ(IPV) | 4ヶ月 | |||||
MMR | 9ヶ月 | 2歳半 | ||||
日本脳炎(生ワクチン) | 9~12ヶ月 | 2歳半 | ||||
HPV | 小学5年次 | 小学5年次 | ||||
インフルエンザB | 実施されていない | |||||
肺炎球菌 | 実施されていない |
■タイで感染症・病気になったら
タイの医療費については以下の記事をご参照ください。
タイの医療費は高い?タイの医療費、医療保険制度は?在留邦人数世界第4位のタイ
タイの日本語可の病院・クリニックまとめは以下をご参照下さい。
タイ(バンコク・シラチャー・チェンマイ)の日本語可の病院クリニック・医師
その他の注目記事のまとめはこちら(他国のワクチンの必要性についてもまとめております)
※【株式会社Medifellow注目記事まとめ】過去の注目記事はこちらをご覧ください。※

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編集者プロフィール

- 大阪教育大学卒業。卒業後は教育事業会社に入社し広報と新卒採用担当を兼任。マーケティング、SNS/HP運用、グラフィックデザイン、イベント企画、採用等に関わる。現在は並行して弊社Medifellowの広報担当や、他企業の事業立ち上げ、広報、採用コンサルティング、グラフィックデザイン等を行う。
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