イギリスの求人やロンドンでの生活、医療事情について JAC Recruitment UK 山田瀬奈様
海外でのリアルな声を掲載するシリーズ、海外在住日本人の声。今回は、イギリス・ロンドンにあるJAC Recruitment UK社で勤務している山田瀬奈様にイギリスの求人やロンドンでの生活、医療事情についてお話を伺いました。
JAC Recruitment UKは、イギリスで事業展開する日系企業や外資系企業への人材紹介事業やイギリスに就業・転職したい日本人の方へのサポートなどを行っています。
【凡例】
●:インタビュアー池田宇大
■:山田瀬奈様
※記事内に記載のある具体的なサービス・製品名等はあくまで取材の中で個人の見解を伺ったものであり弊社として推奨等を行う趣旨ではありません。正確な情報については関連する企業・法人・団体等へお問合せ下さい。
Contents
1.イギリスの求人やビザについて
●イギリスで日本人が就業しようとした場合、どのような求人やビザがありますか?
■駐在員を除き、日本人がイギリスで就業しようとすると主に以下三つのタイプのビザや求人があると考えています。
①イギリスのワーキングホリデー(YMS)ビザ
②Skilled worker visa イギリスやEUの現地人と同様に英語力や経験値が求められるビザ
③その他
①については、年間1,500人、日本人がイギリスにワーキングホリデー(YMS※1)で来れる制度です。
語学力にもよりますが、大手日系商社や日系金融等、YMSの方々を積極的に採用されている企業様もあり、オフィスワークも可能です。
その他、飲食店や美容師などのサービス業、フリーランスで事業をされている方もいます。
YMSは抽選であり、英語力等は条件となっていない為、英語が苦手な方は語学学校に最初通う方もいます。
派遣で時給2000〜2500円前後、フルタイムは400〜450万から1000万以上も含め、ご本人のご経験によってまちまちです。
※1 イギリスのワーキングホリデー(YMS)について
イギリスのワーキングホリデーは、正式にはTier 5(Youth Mobility Scheme/YMS)ビザと呼ばれる、短期の就労を目的としたビザのことを指します。 日本とイギリスはワーキングホリデー協定を結んでいるので、YMSもワーキングホリデーと同等の制度ではありますが、他国と異なり、休暇ではなく就労が目的の制度となっています。
イギリスワーキングホリデーは毎年絶大な人気があり、イギリス ワーキングホリデービザの定員に対し多くの応募があります。 イギリスワーキングホリデーの申請要項は例年10月〜12月に発表され、抽選などの手続きを経て選ばれた人だけが イギリスワーキングホリデーの申請を行うことができます。
出典:一般社団法人日本ワーキング・ホリデー協会「イギリス ワーキングホリデー」
②については、経験値と英語力が求められます。特に英語力は高いものが求められます。就労ビザの要件でIELTS 5.5~6.0程度が求められますが、特にスピーキングやライティングが難しいと感じる人もいると思います。またYMSは2年のみの有効期限があるのに対して、このビザは3年または5年で更新可能で、永住権も申請可能です。
③その他にも、イギリスの大学を卒業した人や、世界のTOP50の大学を出た人も卒業して5年以内に申請をすればビザを取得し働けます。
2.イギリス・ロンドンでの生活について
●イギリス・ロンドンに就業等で移住する際に生活の立上げ等で気を付けた方が良いことなどはありますか?
■ロンドンも住居探しが大変だと思います。安くて人気のある家だと募集開始から数時間で埋まってしまうこともあります。駐在員として来る方は、不動産エージェントを活用し家を探すためあまり問題はないと思いますが、エージェントを介さず自分で探す時は注意が必要です。契約してデポジット入金をし、いざロンドンに来たら実際には家がなかったと言うような詐欺被害にあったケースも耳にしたことがあります。家賃相場としては単身で、シャワー・トイレ共用のタイプで月13万円、トイレのみ共用のタイプで月17~18万円、シャワー・トイレ共に部屋にあるタイプだと月25万円程でしょうか。別途カウンシルタックス(※2)や光熱水費もかかります。なお、シェアハウスの場合は、光熱水費やカウンシルタックスを払わなくて良い家がほとんどです。
※2 カウンシルタックスについて
カウンシルタックスは住宅用財産にかかるイギリスの地方税で、自治体によるサービス提供の運営に費やされます。(例:警察・消防署の資金、ごみ収集、共用緑地メンテナンス、ユースクラブや介護施設の運営、道路の清掃、公共交通機関の運営など)税金はイングランド、スコットランド、ウェールズ内の地方自治体に納められ、都市や区によってレートは様々です。
出典:ロンドン留学センター「カウンシルタックスとは」
3.イギリス・ロンドンの医療事情について
●イギリスの医療費や医療制度等の医療事情はいかがですか?
■イギリスでは給与から比較的高い金額の国民保険(NI)料が天引きされます。その代わり、登録した病院での診察等を無料で受けることが出来ます。(※3)ただし、予約が数か月などかなり先まで埋まっていることもあり、予約が取れないことも多いようです。そのような時はNIとは別途医療費を支払い民間の病院へ行くことになります。
※3 NHSについて
・イギリスの税金で支払われる国民保健サービス
イギリスの医療サービスには2種類あり、医療費が無料になるのは「国民保健サービス(National Health Service 、通称NHS)」を利用した場合になります。
この国民保健サービスは税金で運営されており、イギリス国民の多くがこれを利用して病院を受診しています。
なお、イギリスの公立病院を受診する際は医療費は原則無料ですが、処方箋や歯科診療など一部のサービスには一定医療費がかかります。
・イギリスにいる外国人も医療費は無料になる?
イギリスの通常の居住者(Ordinary resident)とみなされる場合、原則的に外国人でも国民保健サービスに加入することができ、医療費は無料となりますが、短期滞在者や旅行者には適応されません。
こちらは後述 ■イギリスの病院の受診方法について でご説明します。
・国民保健サービスを利用するための税金の支払いは?
保険料として、16歳以上の就労者は、National Insurance Contribution と呼ばれる保険料の支払いを求められます。
またイギリスに6ヶ月以上滞在する外国人の一時的滞在者(non-EEA migrants )に関しては、保健サービスの査証取得・延長時に利用料の支払いを求められます。
出典:株式会社Medifellow「イギリスの医療費は無料?外国人は高い?NHSやプライベート医療サービスについて」
4.イギリスの良いところ
●山田様の個人所感として、日本と比べてイギリスの良いところはどのようなところにある印象がありますか?
■個人の価値観にもよりますが、以下のような点が挙げられると思います。
・ワークライフバランスをしっかりとる
・東京など大都市に比べて通勤や帰宅時の満員電車等ラッシュがない
・ヨーロッパ各国の人をはじめ、様々な国籍や人種の人に出会える
・ヨーロッパ各国への旅行が格安(安い便だと片道4,000円程度で旅行出来る)
山田瀬奈氏プロフィール
大学卒業後、JAC Recruitment Japanに入社し、ヘルスケア部門に配属。その後、JAC International Japanを経て、JAC Recruitment Singaporeにプリンシパルコンサルタントとして移籍。現在、JAC Recruitment UKプリンシパルコンサルタント。社内受賞歴多数。
■日本人専門医のオンライン診療・医療相談サービスでより適切な受診行動や医療の内容を
弊社が提供するオンライン診療・医療相談サービスは、全診療科33科に対応しており、高度な専門性を持つ500人以上の日本人専門医が「オンライン受診勧奨」サービスを法人・企業向けに提供しています。(※法令遵守の視点から海外への「オンライン診療」は行っていません。)また、厚労省実施の研修を修了した医師が対応しています。
海外現地病院の受診前後に活用いただくことで、駐在員の医療不安解消やメンタルヘルスケアはもとより、病院の受診行動や医療の内容の適正化に繋げることで医療費削減に寄与します。医療費削減、福利厚生、健康経営、BCP対策として企業・法人に導入・利活用頂いております。
詳しい資料請求やお問い合わせはフォームからも受け付けております。
法人企業利用Webサイト 海外オンライン診療・医療相談サービス「Doctorfellow」
参考記事 海外オンライン診療・医療相談サービス「Doctorfellow」について
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編集者プロフィール
- 岐阜薬科大学薬学部卒、薬学士。医療機関の経営コンサルティングを経験。大学病院や自治体病院、公的病院の経営改善に従事。その後、HR業界で採用支援コンサルティングを経験。海外駐在員や日本人現地採用、外国人の転職などクロスボーダーの転職・就職支援に従事。
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