メキシコ渡航・入国時に推奨されるワクチン(予防接種)・注意すべき病気

メキシコ国旗

※本記事の最終更新日 2023年6月

メキシコへの赴任・渡航時に接種が推奨されるワクチン(予防接種)、駐在中に気を付けたい感染症・病気についてまとめております。

※他のWebサイト等の情報を参照、一般的な情報提供での掲載です。

■メキシコ滞在時、気をつけたい病気は?

メキシコでは、食べ物や水などを介して感染する消化器系感染症、食中毒、A型肝炎が一年を通してみられます。腸チフス、ジアルジア症(ランブル鞭毛虫症)、クリプトスポリジウム症、アメーバ赤痢、ブルセラ症、リステリア症などがあり、特にブタを飼っているメキシコ農村地域では嚢虫症(のうちゅうしょう)への注意が必要です。
蚊やハエによって発症するデング熱、ウエストナイル熱、オンコセルカ症等もあるので、メキシコでアウトドア活動をする際は、吸血昆虫に刺されないよう、虫よけ対策とともに長袖長ズボンの着用が重要です。詳細は、厚生労働省「メキシコ  気候と気をつけたい病気、受けておきたい予防接種、持っていきたい薬」をご確認下さい。

■(成人)メキシコ入国の際に必要なワクチン

メキシコ入国の際に全員の接種が必要とされるワクチンはありません。

メキシコでかかりやすい感染症の対策に、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチン、破傷風ワクチン、腸チフスワクチンの接種が推奨されています。犬や野生動物との接触が予想される場合には狂犬病ワクチンの接種も推奨されています。

(1)A型肝炎とは?ワクチンについて

A型肝炎はA型肝炎ウイルスによる一過性の感染症です。

  • 感染経路

糞便から排泄されたウイルスが人の手を介して、水や氷、野菜や果物、魚介類を経て口に入り感染。過去には、貝類による集団感染もあります。性交渉時に感染することもあります。

  • 症状

ウイルスに感染後、2~7週間の潜伏期間の後に、急な発熱、倦怠感、食欲不振、吐き気や嘔吐が見られ、数日後には黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなる)が現れます。

成人は小児よりも所見や症状が現れやすく、高齢者では重症度と死亡率が高くなります。

感染後は、症状の発現前と症状の消失後にも数週間はウイルスを排泄するため注意が必要です。

  • ワクチンについて

日本では、ワクチンは2~4週間の間隔で2回接種されます。約半年後に3回目の接種をすると免疫が強くなり、5年間は有効といわれています。国と製剤によって接種方法が異なるため、メキシコ現地医師の指示に従ってください。

(2)B型肝炎とは?

B型肝炎ウイルスに感染して発症。ウイルスは人から人へと感染します。

  • 感染経路

患者との性行為やウイルスに汚染された医療器具の使用により感染。患者から生まれた新生児は生まれた時点で感染していることがあります。

  • 症状

感染後90~150日の症状のない期間があった後、倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛、黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなる)がおこります。皮膚発疹や関節の痛みが生じることがあります。大人での死亡率は1%くらいです。一部の人で慢性化、肝硬変になったり、癌化の可能性もあります。

(3)破傷風とは?ワクチンについて

破傷風は、破傷風菌がうつって感染、口や手足のしびれがおこる病気です。治療が遅れると死亡する場合があります。

  • 感染経路

けがなど負傷時に傷口から破傷風菌が体の中に入ります。破傷風菌は、世界中の土のなかに存在。特に、動物の糞便で汚染された土壌が危険です。

  • 症状

​​感染後3日から3週間の症状のない期間があり、口を開けにくい、首筋が張る、体が痛いなどの症状があらわれます。その後、体のしびれや痛みが体全体に広がり、全身を弓なりに反らせる姿勢や呼吸困難になり死亡する可能性があります。

  • ワクチンについて

適切な方法でワクチン接種を行うと、免疫が10年間持続。旅行中のケガ等負傷時にも破傷風ワクチンが必要になる場合がありますので、早めの医師への相談が大切です。

(4)腸チフスとは?ワクチンについて

  • 感染経路

感染したヒトの便や尿に汚染された水、氷、食べものを取ることによって移ります。ごく少量の菌によって感染することもあります。

  • 症状

感染して1~3週間は症状がなく、その後、高熱、頭痛、全身のだるさ、高熱時に数時間現れる胸や背中、腹の淡いピンク色の発疹、便秘などの症状が現れます。熱が高い割に脈が遅いのが特徴的です。
重大な症状として、腸から出血したり、腸に穴が開いたりすることがあります。

  • ワクチンについて

日本で製造販売承認を受けたものはありません。
一部の医療機関では海外から輸入したワクチン(国内未承認ワクチン)の接種が行われています。

(参照:厚生労働省検疫所  破傷風A型肝炎B型肝炎腸チフス

■(子ども)メキシコ滞在、入学の際に必要なワクチン、定期予防接種

メキシコ渡航前には、日本で定期予防接種として行われているワクチン接種に加え、破傷風、A型肝炎、B型肝炎、腸チフスのワクチン接種を行うことが推奨されます。

ブラジル現地校入学時については、日本人の子弟が通う幼稚園や、インターナショナルスクールに入学する時は、ワクチンの予防接種歴の提出が求められる可能性があります。

メキシコの小児ワクチン定期予防接種

ワクチン名対象疾患名・病原菌回数・目的年齢
BCG結核1回のみ出生時
ANTIHEPATITIS BB型肝炎初回出生時
2回目2ヶ月
3回目6ヶ月
PENTAVELENTE ACELULAR5種混合
(ジフテリア、百日咳、破傷風、
不活化ポリオ、インフルエンザ菌b型)
初回2ヶ月
2回目4ヶ月
3回目6ヶ月
4回目18ヶ月
DPTジフテリア、百日咳、破傷風補強4才
ROTAVIRUSロタウイルス初回2ヶ月
2回目4ヶ月
NEUMOCOCCICA CONJUGADA (PCV13)肺炎球菌 (13価)初回2ヶ月
2回目4ヶ月
ANTIINFLUENZA季節性インフルエンザ初回6ヶ月
2回目7ヶ月
再接種35ヶ月まで
毎年10月~11月
TRIPLE VIRAL SRP(MMR)麻疹、風疹、流行性耳下腺炎初回1才
2回目6才
Td破傷風、ジフテリア補強12才以降
Td(未接種者) 初回10才以降
2回目上記1回目の
4~8ヶ月後
補強12才以降
ANTIHEPATITIS B(未接種者)B型肝炎初回12才以降
2回目上記1回目の
1ヶ月後
(引用:外務省 世界の医療事情 メキシコ

■メキシコで感染症・病気になったら

日本人専門医によるオンライン診療・医療相談サービスをご活用ください。

弊社は33科500人以上の専門医の体制で、海外進出企業・個人向けのオンライン診療・医療相談サービスを運営。

厚労省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に準拠、「オンライン受診勧奨」サービスを提供、必要に応じて、現地病院受診時の紹介状作成等も行っております。また、厚労省の実施する「オンライン診療研修」を修了の専門医が対応に当たっています。

・病気に関する不安解消
・病院受診の必要性の確認
・受診後のセカンドオピニオン
・医療の内容や医療費適正化
・メンタルヘルス等の健康管理

に寄与します。健康経営、福利厚生、感染症BCPの対策に導入をご検討下さい。

その他の注目記事のまとめはこちら(他国のワクチンの必要性についてもまとめております)

オンライン診療・医療相談

※【株式会社Medifellow注目記事まとめ】はこちら※

オンライン医療相談

【法人向けオンライン診療・医療相談サービスwebサイト】

編集者プロフィール

小原万美子
小原万美子
人と組織の可能性が最大化する環境を拡げることをミッションに広報・マーケティングを行う人間。大阪教育大学卒業。卒業後は教育事業会社で広報・採用広報を行い、その後飲食業界向けDX企業にて広報を担当。同時に、日本の誇れる医療を世界中に届けるビジョンに共感し、広報担当として株式会社Medifellowに参画。記事制作、マーケティング、SNS運用、グラフィックデザインを行っている。