ブラジル渡航・入国時に推奨されるワクチン(予防接種)・注意すべき病気

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※本記事の最終更新日 2023年6月

ブラジルへの赴任・渡航時に接種が推奨されるワクチン(予防接種)、駐在中に気を付けたい感染症・病気についてまとめております。

※他のWebサイト等の情報を参照、一般的な情報提供での掲載です。

■ブラジル滞在時、気をつけたい病気は?

消化器系の感染症やウイルス性肝炎などは一年を通して発生しています。
ブラジルで気をつけたい病気は、黄熱病、デング熱、マラリア(標高900m以下の森林地帯のほぼ全域)、フィラリア症、狂犬病、シャーガス病、リーシュマニア症、レプトスピラ症 (ワイル病)等が挙げられます。詳細は、厚生労働省「ブラジル  気候と気をつけたい病気、受けておきたい予防接種、持っていきたい薬」をご確認下さい。

■(成人)ブラジル入国の際に必要なワクチン

ブラジル入国の際に全員の接種が必要とされるワクチンはありません。

ブラジルでかかりやすい感染症の対策に、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチン、破傷風ワクチン、黄熱ワクチンの接種が推奨されています。犬や野生動物との接触が予想される場合には狂犬病ワクチンの接種も推奨されています。

(1)A型肝炎とは?ワクチンについて

A型肝炎はA型肝炎ウイルスによる一過性の感染症です。

  • 感染経路

糞便から排泄されたウイルスが人の手を介して、水や氷、野菜や果物、魚介類を経て口に入り感染。過去には、貝類による集団感染もあります。性交渉時に感染することもあります。

  • 症状

ウイルスに感染後、2~7週間の潜伏期間の後に、急な発熱、倦怠感、食欲不振、吐き気や嘔吐が見られ、数日後には黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなる)が現れます。

成人は小児よりも所見や症状が現れやすく、高齢者では重症度と死亡率が高くなります。ただ、日本では60歳以上の人の多くが免疫抗体を持っています。

感染後は、症状の発現前と症状の消失後にも数週間はウイルスを排泄するため注意が必要です。

  • ワクチンについて

日本では、ワクチンは2~4週間の間隔で2回接種されます。約半年後に3回目の接種をすると免疫が強くなり、5年間は有効といわれています。国と製剤によって接種方法が異なるため、ブラジル現地医師の指示に従ってください。

(2)B型肝炎とは?

B型肝炎ウイルスに感染して発症。ウイルスは人から人へと感染します。

  • 感染経路

患者との性行為やウイルスに汚染された医療器具の使用により感染。患者から生まれた新生児は生まれた時点で感染していることがあります。

  • 症状

感染後90~150日の症状のない期間があった後、倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛、黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなる)がおこります。皮膚発疹や関節の痛みが生じることがあります。大人での死亡率は1%くらいです。一部の人で慢性化、肝硬変になったり、癌化の可能性もあります。

(3)破傷風とは?ワクチンについて

破傷風は、破傷風菌がうつって感染、口や手足のしびれがおこる病気です。治療が遅れると死亡する場合があります。

  • 感染経路

けがなど負傷時に傷口から破傷風菌が体の中に入ります。破傷風菌は、世界中の土のなかに存在。特に、動物の糞便で汚染された土壌が危険です。

  • 症状

​​感染後3日から3週間の症状のない期間があり、口を開けにくい、首筋が張る、体が痛いなどの症状があらわれます。その後、体のしびれや痛みが体全体に広がり、全身を弓なりに反らせる姿勢や呼吸困難になり死亡する可能性があります。

  • ワクチンについて

適切な方法でワクチン接種を行うと、免疫が10年間持続。旅行中のケガ等負傷時にも破傷風ワクチンが必要になる場合がありますので、早めの医師への相談が大切です。

(4)黄熱病とは?ワクチンについて

  • 感染経路

蚊(主にネッタイシマカ)に刺されることでかかる全身性の感染症です。

  • 症状

発熱、寒気、頭痛、筋肉痛、吐き気などの症状が出ます。

  • ワクチンについて

黄熱ワクチンは汚染地域に旅行する10日前までに接種しなければならず、
他の注射生ワクチンと黄熱ワクチンの接種間隔は4週間必要です。
また、高齢者では副作用が起こりやすくなるため、接種後の十分な観察期間が必要です。

(参照:厚生労働省検疫所  破傷風A型肝炎B型肝炎黄熱病

■(子ども)ブラジル滞在、入学の際に必要なワクチン、定期予防接種

ブラジル渡航前に、日本で定期予防接種として行われているワクチン接種に加え、黄熱・A型肝炎のワクチン接種を行うことが推奨されます。

ブラジル現地校入学時については、予防接種記録の提出を求める学校が多いため、母子手帳やイエローカードなどは持参すべきと考えられます。学校によって、ワクチン接種記録の提出様式は異なります。

ブラジルの小児ワクチン定期予防接種

 初回2回目3回目4回目5回目
BCG出生時    
B型肝炎(2回目以降は5価ワクチンとして接種)出生時2ヶ月4ヶ月6ヶ月 
DTP(5価ワクチンとして接種)2ヶ月4ヶ月6ヶ月15ヶ月4才
Hib(5価ワクチンとして接種)2ヶ月4ヶ月6ヶ月  
ポリオ(不活化)2ヶ月4ヶ月6ヶ月  
ポリオ(経口)   15ヶ月4才
ロタウイルス2ヶ月4ヶ月   
髄膜炎菌性髄膜炎(C型)3ヶ月5ヶ月12ヶ月  
肺炎球菌(10価)2ヶ月4ヶ月12ヶ月  
黄熱9ヶ月4才   
MMR(麻疹・おたふく風邪・風疹)12ケ月15ケ月
MMRVとして2回目
   
 麻疹MMRとして実施  
 おたふく風邪同上  
 風疹同上  
A型肝炎15ケ月    
水痘15ケ月
MMRVとして1回目
4才   
HPV(ヒトパピローマウイルス)女子:9~14才の間に2回
男子:11〜14才の間に2回
   
(引用:外務省 世界の医療事情 ブラジル

■ブラジルで感染症・病気になったら

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編集者プロフィール

小原万美子
小原万美子
人と組織の可能性が最大化する環境を拡げることをミッションに広報・マーケティングを行う人間。大阪教育大学卒業。卒業後は教育事業会社で広報・採用広報を行い、その後飲食業界向けDX企業にて広報を担当。同時に、日本の誇れる医療を世界中に届けるビジョンに共感し、広報担当として株式会社Medifellowに参画。記事制作、マーケティング、SNS運用、グラフィックデザインを行っている。