フィリピン渡航・入国時に推奨されるワクチン(予防接種)・注意すべき病気

フィリピン国旗

※本記事の最終更新日 2023年6月

フィリピンへの赴任・渡航時に接種が推奨されるワクチン(予防接種)、駐在中に気を付けたい感染症・病気についてまとめております。

※他のWebサイト等の情報を参照、一般的な情報提供での掲載です。

■フィリピンへの渡航時、気をつけたい病気は?

1年を通して腸チフス、アメーバ赤痢、細菌性赤痢、A型肝炎をはじめとする経口感染症のリスクがあります。
フィリピンで気をつけたい病気は、デング熱、マラリア(都市部以外の標高600m以下の地域)、日本脳炎が挙げられます。2019年には、ポリオの患者が発生しています。詳細は、厚生労働省「フィリピン  気候と気をつけたい病気、受けておきたい予防接種、持っていきたい薬」をご確認下さい。

■(成人)フィリピン入国の際に必要なワクチン

フィリピン入国の際に全員の接種が必要とされるワクチンはありませんが、黄熱流行国からフィリピンに入国する際は、黄熱の国際予防接種証明書が必要です。

フィリピンでかかりやすい感染症の対策に、破傷風ワクチン、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチン、日本脳炎ワクチン、狂犬病ワクチンの接種が推奨されています。ポリオワクチンや麻疹風疹ワクチンの追加接種も推奨されています。

(1)A型肝炎とは?ワクチンについて

A型肝炎はA型肝炎ウイルスによる一過性の感染症です。

  • 感染経路

糞便から排泄されたウイルスが人の手を介して、水や氷、野菜や果物、魚介類を経て口に入り感染。過去には、貝類による集団感染もあります。性交渉時に感染することもあります。

  • 症状

ウイルスに感染後、2~7週間の潜伏期間の後に、急な発熱、倦怠感、食欲不振、吐き気や嘔吐が見られ、数日後には黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなる)が現れます。

成人は小児よりも所見や症状が現れやすく、高齢者では重症度と死亡率が高くなります。ただ、日本では60歳以上の人の多くが免疫抗体を持っています。

感染後は、症状の発現前と症状の消失後にも数週間はウイルスを排泄するため注意が必要です。

  • ワクチンについて

日本では、ワクチンは2~4週間の間隔で2回接種されます。約半年後に3回目の接種をすると免疫が強くなり、5年間は有効といわれています。国と製剤によって接種方法が異なるため、現地医師の指示に従ってください。

(2)B型肝炎とは?

B型肝炎ウイルスに感染して発症。ウイルスは人から人へと感染します。

  • 感染経路

患者との性行為やウイルスに汚染された医療器具の使用により感染。患者から生まれた新生児は生まれた時点で感染していることがあります。

  • 症状

感染後90~150日の症状のない期間があった後、倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛、黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなる)がおこります。皮膚発疹や関節の痛みが生じることがあります。大人での死亡率は1%くらいです。一部の人で慢性化、肝硬変になったり、癌化の可能性もあります。

(3)破傷風とは?ワクチンについて

破傷風は、破傷風菌がうつって感染、口や手足のしびれがおこる病気です。治療が遅れると死亡する場合があります。

  • 感染経路

けがなど負傷時に傷口から破傷風菌が体の中に入ります。破傷風菌は、世界中の土のなかに存在。特に、動物の糞便で汚染された土壌が危険です。

  • 症状

​​感染後3日から3週間の症状のない期間があり、口を開けにくい、首筋が張る、体が痛いなどの症状があらわれます。その後、体のしびれや痛みが体全体に広がり、全身を弓なりに反らせる姿勢や呼吸困難になり死亡する可能性があります。

  • ワクチンについて

適切な方法でワクチン接種を行うと、免疫が10年間持続。旅行中のケガ等負傷時にも破傷風ワクチンが必要になる場合がありますので、早めの医師への相談が大切です。

(4)日本脳炎とは?ワクチンについて

アジアで広く流行する感染症。毎年、3万5000~5万人の患者が発生、1万~1万5000人が死亡すると推定されています。日本脳炎ウイルスは、蚊によってブタから人に伝播します。日本脳炎は、高温多湿な気候で、ブタ等家畜の飼育、蚊の発生しやすい水田のある地域に多く発生しています。
温帯地域では夏期に、その他亜熱帯・熱帯地域では雨期に発生が多くなります。

  • 感染経路

日本脳炎ウイルスはブタの体内で増殖、蚊によってブタからブタにウイルスが伝播します。一方ヒトは、ブタから感染した蚊に刺されてうつります(ブタ→蚊→ヒト)。ヒトからヒトへの直接感染はありません。ウイルスの媒介蚊は、主にコガタアカイエカ(コガタイエカ)で、日本をはじめ多くのアジア諸国に生息しています。

  • 症状

ウイルスを保有する蚊に刺されても多くの人は症状が出ません。感染者の100人から1,000人に1人の割合で発病するといわれています。通常6~16日の潜伏期間の後、高熱、頭痛、嘔気、嘔吐がみられます。次いで、意識障害、けいれん、異常行動、筋肉の硬直などが現れます。重症例のうち50%が死亡するといわれ、生存者の30~50%に精神障害や運動障害などの後遺症が残る可能性があります。

  • ワクチンについて

ワクチンの有効期間は通常3~4年です。この期間の経過後に、流行地域(特に農村部)に長期間渡航する場合は、追加で1回接種、以後3~4年ごとに接種することが勧められます。

(参照:厚生労働省検疫所  破傷風A型肝炎B型肝炎日本脳炎ポリオ

■(子ども)フィリピン滞在、入学の際に必要なワクチン、定期予防接種

日本で定期予防接種として行われているワクチン接種に加え、A型肝炎等のワクチン接種を行うことが推奨されます。

フィリピン現地校入学時については、幼稚園はワクチンの接種証明を義務づけている施設は少なく、通常の予防接種を済ませると問題はない可能性が高いですが、
インターナショナルスクールは、入学の際下記の予防接種を済ませていることが求められます。
DPT/DT, Tetanus, Polio, Measles, Mumps, Rubella, Hepatitis A, Hepatitis B
回数等は児童の年齢により異なりますので学校への問い合わせが必要です。

フィリピンの小児ワクチン定期予防接種


初回2回目3回目4回目5回目
BCG出生時   
B型肝炎出生時4週10週14週
3種混合(ジフテリア・破傷風・百日咳)6週10週14週12ヶ月4歳
Hib(インフルエンザ菌b型)6週10週14週12ヶ月
ポリオ(IPV/OPV)6週10週14週12ヶ月
肺炎球菌6週10週14週12ヶ月
麻疹(はしか)9ヶ月(6ヶ月から可能)   
MMR(麻疹・おたふく風邪・風疹混合ワクチン)12ヶ月16ヶ月  
(引用:外務省 世界の医療事情 フィリピン)

■フィリピンで感染症・病気になったら

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弊社は33科500人以上の専門医の体制で、海外展開企業(主に海外駐在員)向けのオンライン診療・医療相談サービスを運営。

厚労省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に準拠、「オンライン受診勧奨」サービスを提供、必要に応じて、現地病院受診時の紹介状作成等も行っております。また、厚労省の実施する「オンライン診療研修」を修了の専門医が対応に当たっています。

・病気に関する不安解消
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・受診後のセカンドオピニオン
・医療の内容や医療費適正化
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編集者プロフィール

小原万美子
小原万美子
人と組織の可能性が最大化する環境を拡げることをミッションに広報・マーケティングを行う人間。大阪教育大学卒業。卒業後は教育事業会社で広報・採用広報を行い、その後飲食店向けFinTech&SaaS企業にて広報を担当。同時に、日本の誇れる医療を世界中に届けるビジョンに共感し、広報担当として株式会社Medifellowに参画。記事制作、マーケティング、SNS運用、グラフィックデザインを行っている。