ケニア・マサイマラ 初めての海外生活。野生あふれる国立保護区を選択。近藤頼子様の事例

ケニア マサイマラ

現地での教育、医療、文化など生活に関する不安や課題、生の声を連載するシリーズ「海外在住日本人の声」今回は、ケニア・マサイマラで診療所に勤務・滞在の経験がある近藤頼子様にお話を伺いました。

ケニア・マサイマラ国立保護区

ケニア南西部に位置し、野性動物の宝庫・動物天国として世界的に有名な「マサイマラ国立保護区」。ケニア観光の目玉ではありますが、隣国であるタンザニアのセレンゲティ国立公園と隣接していることもあり、国境が関係ない野性動物たちにとっては膨大なひとつの生態系を作り保つことができる環境となっています。

HIS首都圏版「マサイマラ国立保護区」

【凡例】

●:インタビュアー池田宇大

■:近藤頼子様

※記事内に記載のある具体的なサービス名や医療機関名はあくまで取材の中で伺ったものであり弊社として推奨等を行う趣旨ではありません。正確な情報については当該企業・法人へお問合せ下さい。

●近藤様はどこの国でどのくらい海外生活の経験がありますか?

■アフリカのケニア・マサイマラに半年、インドに3カ月、メキシコには、日本との往復生活でしたが、4年間の間に通算2年程度、生活しておりました。

●ケニア、インド、メキシコ以前には、海外での滞在経験はありますか?また、なぜケニアに行かれたのでしょうか?

■それ以前には、台湾や香港へ旅行に行ったことはありましたが、滞在の経験はありません。ほぼ海外初心者の状況で、初めての海外生活を約8年前ケニア・マサイマラで経験しました。元々のきっかけはマサイ族(※1)に興味を持ったからになります。当初はライオン保全のボランティア活動と伺いマサイマラへ赴いたのですが、到着したところそのお仕事はなくなっており、代わりに、マサイマラ(※2)にある欧州ヨーロッパ系の診療所にスタッフで働くことになりました。マサイマラの診療所はいくつかの村が利用する共同の診療所になっております。村の概念が日本と異なり、同じ血族関係のある者同士が5~20世帯集まって家を建て、外周を柵で囲ってある、その一つ一つを村と呼び、また、病院があったり、マーケットが週一回来たり床屋などがある地域を“町”と呼んでいました。

※1 参考:Wikipedia マサイ族に関する記載

※2 参考:HIS首都圏版 絶景「マサイマラ国立保護区」

ケニア マサイマラ

●マサイマラのマサイ族の方々は英語でコミュニケーションはできたのでしょうか?また、診療所のスタッフはどんな職種の人がおり、何語でコミュニケーションされていましたか?

■大学を卒業した人や旅行関連のビジネスに携わっているマサイマラにいる人たちは、英語でもコミュニケーションできます。ただ、それ以外のマサイマラの方は、スワヒリ語かマサイ語です。町にいる人は10~20%程度英語が話せる人がおりますが、村になるとほとんど英語では会話できないと言う印象。首都ナイロビなどの都市部では半数前後の方が英語を話せた印象を持っています。ケニアでは、その人が受けた教育にもよりますが、公用語のスワヒリ語や各部族の言語も話すことが出来ます。加えて、大学卒業の人は英語も話せると言う状況でした。(※3)

※3 参考:外務省「ケニア共和国基礎データ

ケニア・マサイマラの診療所スタッフは10名前後。医師と検査技師、エイズ調査など公衆衛生調査を行うスタッフがおり、私は受付含めて医薬品庫の整理などを行い、医師をはじめ大半が大学卒業された方々だったため英語でマサイマラの診療所の仕事は出来ていました。

ケニア マサイマラ マサイ族

●マサイマラの診療所へどんな症状で来院する方が多かったでしょうか?また、ケニア・マサイマラでは西洋医学は一定の信頼を得ていたのでしょうか?国によっては、地域によっては、世界では西洋医学よりも呪術の方が信頼を得ている場所もあると伺っております。

■症状は、マラリアや栄養失調症、外傷などでマサイマラの診療所へ来院するケースがありました。ケニア・マサイマラの診療所で対応が困難なケースは、救急車を呼んでマサイマラからナロックという街の病院まで紹介・搬送していました。(※4)

※4 参考:外務省「世界の医療事情ケニア

西洋医学への信頼感・理解については、世代間ギャップや受けた教育の違いによりまちまちだという印象をもっており、理解している方もいれば、例えば、エイズを呪いと考えている方などもおり、マサイマラでも人によってとらえ方が異なっている印象です。

●ケニア・マサイマラは国立保護区に指定されるような大自然広がる野性的な環境であるかと思いますが、万一病気を発症の際などのために海外旅行保険等は加入されたのでしょうか?

■マサイマラは、ライオンが獲物を追うような映像をNHKが撮影に来るような場所で、広大な自然広がる場所でした。

加入保険は東京海上日動火災保険でしたが、病気にかかっても、ケニア・マサイマラでは診療所勤務なのと、年齢的にも若かったため、とても困ったというようなケースはありませんでした。

●マサイマラではどのような病気にかかりましたか?

■予防接種は打っていたのですが、腸チフス(※5)の“ような”病気にかかりました。マサイマラ診療所で菌を培養し顕微鏡で確認し、医師から“ような”という表現で言われました。

※5 参考:厚生労働省「腸チフス

●ケニア・マサイマラやインド、メキシコなどの生活で得た考え方などはありますか?

■一つは、地元のことは地元の人に情報を聞くと言うことが重要だと思いました。やはり地元の方が一番良く地元の事を知っているので、地元の方が行かない方が良いというような地域には行かないようにしていました。また、海外でも、内戦等が起きておらず、そこに人がいて地元の人が安心に生活を送れるようなところであれば、自身で行っても生活ができると言う自信を持ちました。

●初めての海外生活がマサイ族の村、ケニア・マサイマラですので、そこでの経験は近藤様にとって大きなものでしたね。

近藤頼子氏プロフィール

旧帝大(生物系専攻)を卒業。ケニア・マサイマラ、インド、メキシコにて生活・仕事、現在は、日本国内で大手外資系保険会社に勤務。

近藤頼子様

取材担当者
池田宇大
株式会社Medifellow

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編集者プロフィール

池田 宇大
池田 宇大株式会社Medifellow
岐阜薬科大学薬学部卒、薬学士。医療機関の経営コンサルティングを経験。大学病院や自治体病院、公的病院の経営改善に従事。その後、HR業界で採用支援コンサルティングを経験。海外駐在員や日本人現地採用、外国人の転職などクロスボーダーの転職・就職支援に従事。