篠原豊様の事例 マレーシア・クアラルンプールでの生活(生活全般、医療事情、医療費など)

マレーシア クアラルンプール

現地での教育、医療、文化など生活に関する不安や課題、生の声を連載するシリーズ「海外駐在員・海外在住日本人の声」今回は、2年ほど前までマレーシア・クアラルンプールで2年間生活していた起業家・エンジェル投資家の篠原豊氏にお話を伺いました。

【凡例】

●:インタビュアー池田宇大

■:篠原豊様

※記事内に記載のある具体的なサービス名や医療機関名はあくまで取材の中で伺ったものであり弊社が推奨等を行う趣旨ではありません。正確な情報については当該企業・法人へお問合せ下さい。

●Webメディアのインタビューでマレーシア・クアラルンプール移住の理由についてのコメント拝見しました。(※1)篠原豊氏がマレーシア・クアラルンプール移住のきっかけの一つは、日本の経済状況等を外部から客観的に見るためであったのでしょうか?

※1 参考:「起業の失敗確率を下げる支援を――愛知「プレ・ステーションAi」統括マネージャーが語る、スタートアップ支援にかける想い

■篠原豊様:それも一つです。また、東南アジアのスタートアップへのエンジェル投資活動をすることも目的でした。日本でのビジネスもありましたが、内容柄一週間程度日本にいればよく、海外に拠点を移して生活もよい状況でした。

東南アジアでもマレーシア・クアラルンプールの選択理由は、英語でコミュニケーションができ、また、税制優遇があったり、契約書の内容を守る文化がしっかりとあることも理由でした。また、マレーシア・クアラルンプールは東南アジアのどこへ行くにもアクセスが良い印象で、例えば、ハノイは2時間半のフライトでいけるなど3時間あれば、東南アジアの各国に行くことが出来るような場所であることも理由の一つです。エアアジア(※2)を使えば当時は1万数千円でフライトチケットが買えたので、日本で例えると東京―大阪くらいの時間と金額の感覚で東南アジア各国へ移動できました。

※2 出典:Wikipediaのエアアジアに関する記載

エアアジア(マレー語: AirAsia)は、キャピタルA (マレー語: Capital A Berhad) によって運行されているマレーシアの格安航空会社 (LCC) である。

●マレーシア・クアラルンプールでの生活以前に海外での中長期生活や駐在などの経験はありましたか?

■篠原豊様:ありませんでした。ただ、海外旅行には行っており、また、外資系企業で勤務経験があり、以前起業の際には外国人チームのみで運営だったため、多国籍な環境、人種の違う環境で何かをすることに対する耐性は付いていたと思います。英語はあまりできないため、気合と根性で英語コミュニケーションをしていました。

●中長期の海外生活が初めてとなりますと生活の立上げ等々色々と大変であったのではないでしょうか?

■篠原豊様:住居の選定やビザの取得などは、半年くらいマレーシア・クアラルンプールと日本を行ったり来たりする生活を通じて、自力で行いました。マレーシア・クアラルンプールは日本人が比較的多い(※3)ので、知り合いをつたって不動産エージェントを見つけました。

不動産は質の良い物件がとても安く、タワーマンションの高層階で100~120平米、2 Bed、生活に必要な家具家電は付いており、25mプールやテニスコートも付いて当時で月8万円ほどの家賃でした。また、マンションはディズニーランド三個分一周4キロメートルの城壁のようなもので囲まれたエリアにあり、その中にいくつもマンションや戸建てが建っているのですが、そのエリアに入るためにはゲートのセキュリティもしっかりしていたので、深夜に一人でランニングしていても大丈夫な安心感のあるエリアでした。

不動産は安かったですが、自動車は非常に高い印象で、マレーシアの国産自動車メーカーがあるためか、外国産の自動車には高い関税がかけられているからです。

※3 参考:マレーシア在留邦人数が世界12位、KLは20位に 昨年10月時点で2万444人

マレーシア クアラルンプール
マレーシア クアラルンプール

●マレーシアでビザはどのように取得されたのでしょうか?

■篠原豊様:マレーシアにはラブアン島と言うタックスヘイブン(※4)があり、税制面の優遇もあり良いため、そこに法人を設立、法人から自身や同伴の妻にビザを出す形を取りました。

※4 参考:ほけんROOM法人保険「タックスヘイブンに会社設立し税金を抑える方法をわかりやすく解説

●そのように生活の立上げを行い生活スタートとなり、実際にマレーシア・クアラルンプールに住んでみて印象いかがでしたか?

■篠原豊様:日本人の移住したい国ランキングでよく1位になっているのがマレーシアです。そのくらいマレーシア・クアラルンプールは、ストレスも溜まらず、ゆるい雰囲気があり、住みやすい場所でした。多民族国家なので、マレー系マレーシア人(※5)に職業や税率の優遇はあるものの、風土は人種宗教の差別がなく色々と寛容な気質がありました。例えば、自身の宗教とは関係のない他の宗教のイベントで一緒に盛り上がったりするなど。良い意味で宗教民族人種等に対してフラットな環境がある印象でした。

※5 参考:外務省「マレーシア基礎データ

●マレーシアは食事についてはどのような料理があって、おおよそ外食の費用はどのくらいかかるものでしょうか?

■篠原豊様:マレー系マレーシア人はナシレマ、中華系は海鮮やきそばのようなものが、インド系はカレーが代表的な料理であった印象です。食事もバラエティがあります。費用については、現地の屋台のようなところへいくと300~500円程度で十分な量の食事ができ、よりしっかりした日本食レストランなどにいくとランチで1,500円くらいかかっていた印象です。日本食レストランはマレーシア・クアラルンプールにたくさんあり(※6)、寿司屋さんへ行くと数万円かかるようなところもありました。国際便で前日に豊洲で上がった魚介を空輸、極力新鮮なものを提供するようなので、仕方がない値段感かとは思います。

あと、マレーシア・クアラルンプールには、仕事を引退して移住する日本人もおりましたが、子供の教育のために母子で移住しているケースもありました。マレーシア・クアラルンプールに来ると少なからず、英語と中国語も学べそうなのでトリリンガルに教育するのに良い環境なのかもしれません。

※6 参考:JETRO「マレーシアにおける日本食市場の概況と新たな流れ

マレーシア クアラルンプール 寿司
マレーシア クアラルンプール そば

●篠原豊氏の場合、病院の受診や医療費など病気で困ったケースなどはありましたか?

■篠原豊様:私ではなく同伴の妻になりますが、困ったケースがありました。マレーシア・クアラルンプールへの移住前に日本で受けていた健診の結果が、移住後に返ってきたのですが、その中で重病の疑いがあることが判明。病院を受診しなければなりませんが、全体的に医療レベルは高い印象でしたが、かけれる医療費次第で左右される印象で、レベルが高い病院は医療費が高く、また、予約が取りにくかったり、症状や状況を伝えようと思っても、病院受診時の英語が難しく苦労しました。私たちの場合は、日本人が多く住むエリアにある日本人も運営に関わっているひばりクリニック(※7)を受診、診察を受け、病院の予約や紹介状の手配を行ってもらい、パンタイ病院(※8)と言う総合病院へ行くことになりました。医療費が高額ですが、一方で、担当の医師は説明も時間を十分に取って丁寧にしており、接遇面が良かったと感じました。

※7 参考:海外在住日本人とつくるローカル体験!LOCOTABI「クアラルンプール在住日本人がおすすめするクアラルンプールの病院・医療機関情報

※8 参考:在マレーシア日本国大使館「クアラルンプール周辺地域の医療施設事情

●篠原豊氏の場合は、海外旅行保険等、民間の医療保険には加入したのでしょうか?

■篠原豊様:加入していなかったので、自費で対応しました。クレジットカードの付帯保険(※9)もありましたが、利用の仕方が分からず結果利用せずに終わりました。医療保険のこともしっかり準備しておいた方が良かったと感じました。

※9 参考:弊社インタビュー記事内のクレジットカード付帯保険に関する記載参照

篠原豊氏プロフィール

インターネットセキュリティーソフトウェア・SaaS企業やデジタルメディア企業で営業・新規事業を経験後、2010年エバーコネクト株式会社を創業。 その後も国内外様々なベンチャー企業の創業・上場・売却に携わる一方、国内外スタートアップへのエンジェル投資を行ったり、愛知県が運営するスタートアップインキュベーション施設PRE-STATION Aiでスタートアップのメンターを務める。

篠原豊様

取材担当者
池田宇大
株式会社Medifellow

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編集者プロフィール

池田 宇大
池田 宇大株式会社Medifellow
岐阜薬科大学薬学部卒、薬学士。医療機関の経営コンサルティングを経験。大学病院や自治体病院、公的病院の経営改善に従事。その後、HR業界で採用支援コンサルティングを経験。海外駐在員や日本人現地採用、外国人の転職などクロスボーダーの転職・就職支援に従事。