オンライン受診勧奨とは?「オンライン診療の適切な実施に関する指針」より【医師監修記事】

オンライン受診勧奨

弊社はオンライン診療・医療相談サービスDoctorfellowを運営しております。厚労省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に準拠、同指針に記載の「オンライン受診勧奨」サービスを行っております。同指針には、「オンライン診療」「オンライン受診勧奨」「遠隔健康医療相談(オンライン医療相談)」と言う名称が見られますが、どのような定義となっているのでしょうか?オンライン診療とは?遠隔健康医療相談(オンライン医療相談)とは?オンライン受診勧奨とは?や各々の違いについてまとめています。

■オンライン診療とは?オンライン診療の定義

名称の通り、オンラインでの診療行為になります。

遠隔医療のうち、医師-患者間において、情報通信機器を通して、患者の診察及び診断を行い診断結果の伝達や処方等の診療行為をリアルタイムにより行う行為。

引用:厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」

オンライン診療のポイント

・オンライン診療では、患者個人の病名診断や処方行為など個別的な状態を踏まえた具体的な判断も可能

・オンライン診療は、厚労省実施「オンライン診療研修」を修了の医師が対応

■オンライン受診勧奨とは?オンライン受診勧奨の定義

「オンライン受診勧奨」と言う言葉を見ると「医師が病院への受診を推奨するのかな?」と言う印象を持つかもしれません。実際は、病院受診の勧奨も行いますが、非受診の勧奨も行います。また、「遠隔健康医療相談」とは異なり、患者個人の心身状態に応じた必要な一定の判断もできるので、セカンドオピニオンや健診結果の相談など患者個人の検査データ等を踏まえる相談も「オンライン受診勧奨」に含まれます。

医師-患者間において、情報通信機器を通して患者の診察を行い、医療機関への受診勧奨をリアルタイムにより行う行為であり、患者からの症状の訴えや、問診などの心身の状態の情報収集に基づき、疑われる疾患等を判断して、疾患名を列挙し受診すべき適切な診療科を選択するなど、患者個人の心身の状態に応じた必要な最低限の医学的判断を伴う受診勧奨。一般用医薬品を用いた自宅療養を含む経過観察や非受診の勧奨も可能である。具体的な疾患名を挙げて、これにり患している旨や医学的判断に基づく疾患の治療方針を伝達すること、一般用医薬品の具体的な使用を指示すること、処方等を行うことなどはオンライン診療に分類されるため、これらの行為はオンライン受診勧奨により行ってはならない。

引用:厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」

オンライン受診勧奨のポイント

・オンライン受診勧奨では、患者個人の心身の状態に応じた必要な最低限の医学的判断が可

・オンライン受診勧奨では、病名の診断や直接的な処方行為は不可

・オンライン受診勧奨は、厚労省実施「オンライン診療研修」を修了の医師が対応

■遠隔健康医療相談(オンライン医療相談)とは?遠隔健康医療相談(オンライン医療相談)の定義

オンラインでの医療相談です。患者個人の状態を踏まえた判断は行えず一般的な情報提供や助言にとどまります。

遠隔医療のうち、医師-相談者間において、情報通信機器を活用して得られた情報のやりとりを行い、患者個人の心身の状態に応じた必要な医学的助言を行う行為。相談者の個別的な状態を踏まえた診断など具体的判断は伴わないもの。

引用:厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」

遠隔健康医療相談については、本指針の対象とはしない。ただし、遠隔健康医療相談においても、診断等の相談者の個別的な状態に応じた医学的判断を含む行為が業として行われないようマニュアルを整備し、その遵守状況について適切なモニタリングが行われることが望ましい。

引用:厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」

遠隔健康医療相談(オンライン医療相談)のポイント

・遠隔健康医療相談(オンライン医療相談)では、患者個人の心身の状態に応じた必要な医学的助言は可

・遠隔健康医療相談(オンライン医療相談)は、看護師、薬剤師など医師以外が対応も可。対応者の研修修了等の資格要件もなし。

・遠隔健康医療相談(オンライン医療相談)では、相談者の個別的な状態を踏まえた診断や処方行為など具体的判断は不可

■オンライン受診勧奨、オンライン診療、遠隔健康医療相談の違いは?「オンライン受診勧奨」とは?のまとめ

引用:厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」

上図のように【オンライン診療・オンライン受診勧奨】と【遠隔健康医療相談】の違いは、患者(相談者)の個別の状況を踏まえた医学的な判断が行えるか、個別の状況を踏まえない一般的な情報提供のみにとどまるか、の違いとなっています。さらに、【オンライン診療】と【オンライン受診勧奨】の違いは、病名の診断や直接的な処方行為ができるか否かとなっています。

弊社は33科500人以上の専門医の体制で、海外展開企業(主に海外駐在員)向けのオンライン診療・医療相談サービス、メンタルヘルスサービスDoctorfellowを運営、厚労省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に準拠、「オンライン受診勧奨」サービスを提供しており、必要に応じて、現地病院受診時の紹介状作成等も行っております。また、厚労省の実施する「オンライン診療研修」を修了の専門医が対応に当たっています。病院の受診前後にオンライン受診勧奨を活用することで、不安解消はもとより、病院の受診行動や医療の内容、医療費適正化、生産性向上に寄与しますので、健康経営、福利厚生、BCP対策のためにも導入をご検討下さい。※海外への「オンライン診療」は国内外法令へのコンプライアンスに懸念があるため弊社では行っておりません。

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【本記事の監修・丹羽崇(医師)】

神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器 内科および倉敷中央病院呼吸器内科にて臨床研究管理者・呼吸器インターベンション 指導医を兼務。総合内科専門医・指導医、呼吸器専門医・指導医、気管支鏡専門医・指導医などの資格を有するほか、世界肺癌学会、欧州呼吸器学会、米国胸部学会など国内外学会での活動実績や受賞歴を複数有する。

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編集者プロフィール

池田 宇大
池田 宇大株式会社Medifellow
岐阜薬科大学薬学部卒、薬学士。医療機関の経営コンサルティングを経験。大学病院や自治体病院、公的病院の経営改善に従事。その後、HR業界で採用支援コンサルティングを経験。海外駐在員や日本人現地採用、外国人の転職などクロスボーダーの転職・就職支援に従事。