市原暁様の事例 総合商社・タイ海外駐在 駐在生活や医療事情(医療費、病院など)
現地での教育、医療、文化など生活に関する不安や課題、生の声を連載するシリーズ「海外駐在員・海外在住日本人の声」今回は、アメリカ、デンマーク、シンガポール、タイなど通算で15年以上海外での留学・駐在等の生活経験がある市原暁氏にお話を伺いました。
【凡例】
●:インタビュアー池田宇大
■:市原暁様
Contents
- 1 ●市原暁氏は、直近ではタイに駐在されていたと伺いましたが、それ以前には海外での留学や駐在などでの生活経験はありましたでしょうか?
- 2 ●人生の大半を海外で生活、活動されており、まさにグローバル人材ですね。タイに駐在する中で、日本人と比べた時の働き方や生活面など何か特徴や違いを感じたことはありましたか?
- 3 ●タイで生活する中で食の面では特段困ることはなかったですか?
- 4 ●例えば、ランチだと目安としてどのくらいのタイでは食事代がかかるものなのでしょうか?
- 5 ●市原暁氏はタイで体調不良や病院受診など医療について困ったことはありましたか?
- 6 ●タイの有名病院はどこになりますか?
- 7 ●タイの駐在員は主にどこの病院に受診することが多いですか?
- 8 市原暁氏プロフィール
●市原暁氏は、直近ではタイに駐在されていたと伺いましたが、それ以前には海外での留学や駐在などでの生活経験はありましたでしょうか?
■市原暁様:初めての海外生活経験は高校生の時でした。通っていた私立の中等部がデンマークとの繋がりも深く中学時代の先生から良くデンマークの話を聞いていた影響もあり高校2年から3年にかけデンマークに交換留学で行きました。その後、アメリカの大学を卒業し、総合商社のシンガポール法人へ入社。日本への出向を経て、その後、タイに6年間駐在しておりました。
●人生の大半を海外で生活、活動されており、まさにグローバル人材ですね。タイに駐在する中で、日本人と比べた時の働き方や生活面など何か特徴や違いを感じたことはありましたか?
■市原暁様:私が関わっていたのは、英語もできるホワイトカラーの職種の方がメインとなっておりましたが、仕事の進め方の違いは感じました。自動車や不動産などが良く売れ、国として右肩上がりの状況の中で、リスク管理やスケジュール管理、プロジェクトマネジメントなどはまだまだ日本人駐在員の業務領域である印象を持ちました。一方で、何でもやろうと言う前向きな姿勢の機運で勢いがある印象です。少々仕事の進め方は粗々としている部分もありますが、コミット力が高く、ジョブ型雇用の慣習の中での働き方、姿勢を持っている印象がありました。また、仕事に楽しさや遣り甲斐を求める傾向もあり、これらの特徴を念頭に置いたマネジメントは大事であったかと考えております。
●タイで生活する中で食の面では特段困ることはなかったですか?
■市原暁様:タイは在住日本人が80,000人以上(※1)もいるからか日本人向けのサービス等充実している印象で、日本食レストランは当時4,000店以上(※2)もあり、現地で日本食が食べれるので困ることはありませんでした。日本へ旅行や留学等で行って日本好きになったタイ人向けにも人気のある日本食レストランも多くありましたね。
※1 参考:外務省 「タイ基礎データ」
※2 参考:JETRO日本貿易振興機構 ビジネス短信「タイの日本食レストランが5,000店舗を突破、過去最大の増加数」
●例えば、ランチだと目安としてどのくらいのタイでは食事代がかかるものなのでしょうか?
■市原暁様:当時は、ローカルのタイ料理屋さんだと40バーツ~60バーツ(140円~240円程度)日本食レストランだと250バーツ~300バーツ(1,000円~1200円程度)であったかと思います。
●市原暁氏はタイで体調不良や病院受診など医療について困ったことはありましたか?
■市原暁様:タイの勤務先が郊外にあったため、毎日片道1時間30分、渋滞すると3時間もかかるような道のりを自動車通勤していたのですが、腰を悪くしてしまったことはありました。そこまで重病等で困ったケースはなかったです。また、タイもそれまでいた国も医療面では恵まれている環境にあったと思います。
自身は良かったのですが、子供の怪我では心配になったケースがありました。一時的に家族がタイにいた際、子供が小指を骨折し、タイの病院に受診したのですが、全身麻酔での手術の方針を主治医から言われました。小指の骨折だけなのでと思い避けましたが、良い保険に入っている人や病院の収益性も鑑みてのことかなと言う印象も持っております。
●日本とは異なり、海外は国にもよりますが、より収益性も加味した運営を行っている印象はありますね。フラットな立場で適切な医療を考えてくれる専門医の存在は大事かなと考えております。
■市原暁様:タイは医療ツーリズム(※3)に力を入れており、また、交通事故が多いため外科手術が多かったようなのですが、新型コロナウィルスの世界的流行の影響で、両方ともに少なくなってしまったという背景もあったかもしません。
※3 参考:デロイトトーマツ「タイの医療市場の現状と将来性~医療制度の特徴と医療事情の動向~」
●タイの有名病院はどこになりますか?
■市原暁様:バンコク病院グループ(※4)とバムルンラード病院(※5)が有名です。バンコク病院グループは30病院以上を傘下に収める病院グループです。シンガポールで言えばラッフルズ病院のような病院です。
※4 参考:バンコク病院グループ
※5 参考:バムルンラード病院
●タイの駐在員は主にどこの病院に受診することが多いですか?
■市原暁様:駐在員が受診する病院としては、バンコク病院、サミティベート病院(※6)、バムルンラード病院になりと思います。特にサミティベート病院は日本人が多く住むエリアの中心部に位置し、アクセスが良く、また、勤務する専門医も日本留学経験のある医師もおり日本語が話せたりします。
※6 参考:サミティベート病院
市原暁氏プロフィール
高校時代にデンマークに海外留学。
アメリカでの大学卒業を経て、総合商社でシンガポール勤務やタイ駐在を経験。
取材担当者
池田宇大
株式会社Medifellow
編集者プロフィール
- 岐阜薬科大学薬学部卒、薬学士。医療機関の経営コンサルティングを経験。大学病院や自治体病院、公的病院の経営改善に従事。その後、HR業界で採用支援コンサルティングを経験。海外駐在員や日本人現地採用、外国人の転職などクロスボーダーの転職・就職支援に従事。
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