転載:弊社代表丹羽のnote ”オンライン診療のホンネ各論編②”
こんにちは。さて、前回は医者目線でオンライン診療について述べてみましたが、今回は患者目線で考えてみたいと思います。
Contents
<いつオンライン診療を利用する?>
医者にかかろうと思う時ってどんな時でしょうか。私たち医師が診るのは、なんだかおかしいなと感じる体調の変化がきっかけだったり、健康診断で異常を指摘されてというのも多いです。では、そういった理由で医者にかかろう、と思った時、どんなことをしてもらいたいですか?
よく言われるのが、
・検査する必要があるか判断して欲しい
・検査をとにかくして欲しい
・症状を治してほしい
といったところでしょうか。
では、こういったニーズにオンライン診療はどこまで対応できるでしょうか。
<初診のオンライン診療でできること>
これは、「オンライン診療のホンネ」のところにまとめましたが、初診についてはとにかくビデオないし電話で患者さんのお話を聞いて、最大7日までの処方を行う、ということに尽きます。では、この診療行為でどれくらい皆さんは満足されますか?前記の通り、オンライン診療では検査をすることはできませんので、結局は医者のもとに足を運ばなければなりません。処方可能な薬の種類も限られます。ですので、初診で対応可能な人というのは、現時点では「風邪を含む軽症の感染症」の人に留まります。プラスアルファとしては、医者から検査の要否を提示してもらえるので安心、といったところでしょうか。でも、それだけであれば医療相談の範囲内でできてしまいます・・・。ですので、良心的なところですと、医療相談の範囲に留まる内容であれば、初診ではなく医療相談に切り替えるという方法もあるようです。
<再診のオンライン診療でできること>
再診(2回目以降の通院)になると大きく状況が変わります。すでに診察を直接受けていて、検査も済んでいるわけです。診断もすでに下っていて、治療も開始されているわけですね。こういった条件を満たすと、オンライン診療が本領を発揮します。経験豊富な医師が行えば、安全に直接通院することなく処方や受診要否判断がしてもらえるのです。特に通院が困難な状態(遠方だったり、酸素吸入が必要だったり、障害を持っている方)ですと、とても便利ですね。ただし、開業医の先生方の中には敬遠する方もいらっしゃるでしょう。なぜなら、診療報酬が安いから・・・。
<セカンドオピニオンは?>
セカンドオピニオンは、基本的に診療行為を行いません。ですので、医療相談の範疇に入りますので、保険診療にはなりません。全額自己負担です。現在、オンライン診療のプラットフォーム(テレビ電話方式)を使用してセカンドオピニオンを提供している施設はあまりないのが現状です。ただ、テキストベースでオンラインセカンドオピニオンを提供しているところは、株式会社Medifellowを含め存在しています。
日本でよく見かけるのが、行きたい有名病院のセカンドオピニオン外来を受けて、そのままそこの患者になる、という流れです。これはなぜそんな流れが生じるかというと、患者さんが主治医の先生に病院を変わりたいと直接申し出るのは忍びないけれど、「治療しない前提のセカンドオピニオンを受ける」という名目であれば、あまり気を悪くせずに紹介状を書いてもらえる、という考えで、セカンドオピニオン外来を訪れるようです。ですので、日本国内においては、あまりオンラインでのセカンドオピニオンの需要は多くありません。
海外では、どちらかというと患者自身で治療を選ぶという意識が強く、そのための情報を可能な限り正確に集めるためにセカンドオピニオンを受ける、ということが多いようですので、だいぶ性格が異なりますね。私が海外在住の人向けにサービス展開しているのには、この辺りの違いを鑑みてというのがあるのです。
<患者として気をつけてほしいこと>
オンライン診療に慣れている医師はまだ多くありません。また、オンライン診療のデメリットや難しさ故に、例えば検査が遅れたり、なんらかの不利益が生じる可能性もあります。ですので、受診して投薬してもらったから大丈夫〜と言って油断することはなく、あくまで自分の体の声と相談することを大切にしてほしいです。また、医師が受診・検査した方がいいと判断した場合には、めんどくさがらずに受診するようにしてほしいです。
<まとめ>
さて、患者目線で簡単にまとめてみました。まだ黎明期にある日本のオンライン診療ですが、患者として享受できるメリットを正確に把握した上で、適切に使いこなしてみてください。
<転載元URL>https://note.com/wanikko/n/n7febc4145c1f
編集者プロフィール
- 岐阜薬科大学薬学部卒、薬学士。医療機関の経営コンサルティングを経験。大学病院や自治体病院、公的病院の経営改善に従事。その後、HR業界で採用支援コンサルティングを経験。海外駐在員や日本人現地採用、外国人の転職などクロスボーダーの転職・就職支援に従事。
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