オンラインで医療相談を受けられるのはメディフェロー

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転載:弊社代表丹羽のnote ”オンライン診療のホンネ”

noteに初めて書きます。ここでは、私がMedifellowという会社を設立するにあたり経験したいろいろを元に、オンライン診療の位置付けや功罪について記していきたいと思います。


<はじめに>

新型コロナウィルスが猛威を奮っています。私も新型コロナウィルス(COVID−19)の診療に最前線で携わっていますが、本当にやっかいなウィルスです。機会があればこのウィルスについても述べたいところですが、それは私よりもずっと適任の方がいらっしゃると思うので、ここでは新型コロナウィルスの蔓延を受けて大幅緩和・解禁されたオンライン診療について、その言葉の意味と位置付け、混同されやすいものとの違いなどに述べたいと思います。


<オンライン診療って?>

よく混同されるのが、「診療」と「相談」の違いです。その定義については厚生労働省から示されている「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に示されています。

厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」

簡単に言えば、

・オンライン診療 : 「診断」して「治療」まで可能
・オンライン医療相談:診断も治療もせず、医学的なアドバイスは行う

ということになります。今般の新型コロナウィルスの蔓延を受けて、「オンライン診療の初診を解禁!!」とニュースになりましたが、実はオンライン診療自体はかなり前から議論されていて、すでに再診(一度もう病院にかかっている人が、再度病院を受診すること)の場合には解禁されていました。では、初診の人にはなぜ今まで解禁されていなかったのでしょう?


<オンライン診療の限界とリテラシー>

オンライン診療を阻む壁は、実は医師法にあります。医師法第20条を噛み砕いて解説すると、患者さんを「診療」しないで治療その他の行為を行うことを禁じており、これに違反すると50万円以下の罰金が下されるとされています。これは、患者さんに不利益にならないように定められたもので、とても大事な法律です。

ここで、オンライン診療はいわゆる「診療」と言えるのか?という問題が生じます。皆さんが「診療」というと、どんなイメージですか?症状を診て聞いてもらって、触ってもらったり聴診してもらったりして、診断されてから治療になる、というイメージが大半だと思います。でも、オンラインだと、症状を聞いてもらうことが限界(ギリギリ、画面を通して見てもらうこともできますね)になります。これを診療と言えるのか?? そこで、この医師法に違反しないよう、患者さんに不利益が生じないようにするため、オンラインでの診療行為について定めたのが、前述の厚生労働省の指針なのです。

議論になるくらいですから、どの医師からみてもオンラインでの「診療」は難しいものです。私たち医師の多くは、患者さんの声色や雰囲気、また同伴されるご家族の表情などなど、いろいろな情報を「見て」「聞いて」「感じて」診療しています。これに加えて、病変の性状(熱い冷たい、音、匂いなど)や広がりなど、専門的な目線での評価軸を用いて診断していきます。挙げればキリがないのですが、これら情報をオンラインで感じとるのは、当然の事ながら難しいのです。特に初診の時には、できる限りたくさんの情報を患者さんからかき集めて、しっかり診断する必要があります。現在のICTのレベルでは、こういった情報までは拾うことができません(いずれは進歩していくでしょうけど)。なので、私たち医師としても、現時点においてはオンラインで診れるものかそうでないものかの選別をすること=オンライン診療リテラシー が必要となります。


<オンライン医療相談は?>

翻って、オンライン医療相談についてです。これの難しいところは、「今後どうするかの全ての責任は患者さん本人にある」事です。例えば、医師ないし看護師が、「体調悪くて・・・」という相談者の症状を聞いて、「○○という可能性がありますね」とアドバイスを行ったとします。で、最後には「ですので病院受診を検討してくださいね」となります。現実問題、診察をしていないので発言には責任を持ちきれませんから、最終判断は相談した人の責任です。とは言え、もし自己判断で病院受診を控えて手遅れになりかねない自体が生じたら責任問題ですよね?ですので、最後にお約束ワードとして、「ですので病院受診を検討してくださいね」を付けざるをえません。逆に、責任感を発揮して診断に踏み込む事を口走ったら、「診療」の定義に当てはまってしまって、医師法違反に問われかねません。大体の医師が責任感の塊みたいなものですから、この「医療相談」の基準である「診断するな」というのは非常に酷なものになります。

つまり、医療相談は、結局病院受診することになる可能性が高いということです。最近、LINEも含め医療相談事業を手掛けるところが増えてきていますが(Medifellowもそのうちのひとつ)、そのような内容のものに患者さんたちはお金を払うのか、私は少々疑問です・・・

ちなみに、私が設立したMedifellowという会社が手掛けるサービスは主に「医療相談」に該当しますけれども、「セカンドオピニオン」という専門性を伴うアドバイスであるところが少し異なります。このサービスの利点を書くのはここでの趣旨に反しますので、いずれまた。


<まとめ>

さて、長々と書いてきましたが、まとめます。

・オンライン「診療」と「医療相談」は違う
・オンライン診療は法律的に許可されたものの、本当の「診療」には程遠い
・いわゆる医療相談のメリットは患者側にはあまりない(セカンドオピニオンは別です)
・オンライン診療に参入する医師には「オンライン診療リテラシー」が必要

次回以降、このオンライン診療を取り巻く状況と私見を述べていきます。


<転載元URL> https://note.com/wanikko/n/nff51e8d65c09